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2014年秋。十勝視察旅行記(13)

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以下、過去記事。
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 3日目、“ワイン城”からの帰りの道中。

 来た道を帯広まで戻るのも面白く無いし、ホテルに戻るにはまだ少し時間が中途半端だったのもあり、ナビ上の“牧場”の文字を頼りに当てずっぽうで選んだ、“池田町営牧場”を目指して車を走らせる。町営とあるので、もしかするとちょっとした土産店とか牛乳コーナーがあったり、そうでなくても牛に触ることくらいできるんじゃなかろうか?…と。
 結果、暫く走って山の中の行き止まりにあった牧場は本当にただの牧場で、部外者が気軽に入れそうな施設では無かった…。ただ、こっちの方面を目指して走ったおかげで、帯広までの間、ちょっと面白いものを色々観ることができた。

↓いかにも十勝な風景。この辺りは平野では無く丘陵地帯だけど。年末の挨拶ページに載せた写真の別バージョン。
いかにも十勝
 予想とは違った山間にある牧場から細い道を下りて来る途中、農道横の畑で大きなトラクターが何かを収穫している。運転していない人が側に一人居たので聞いてみたら、“ビート”の収穫だそうだ。僕は“ビート”という作物名を知らなくて、パティシエの嫁さんが「砂糖の原料だよ」教えてくれる。僕の小学生の社会科的な知識では、砂糖と言うとサトウキビとテンサイというイメージだったので、ビートってのは初めて聞いたなぁ〜なんて思ってたら、そのテンサイ(サトウダイコン)の英語名がビートだそうで…。多分、その農家のおじさんも“テンサイ”と言うより“ビート”と言った方が解ると思ったんだろうけど…。いつの間にか“ビート”が一般的になってたんだろう? 僕が知らなかっただけ?

↓ビートの収穫風景。
ビート(テンサイ/サトウダイコン)の収穫
 農家の人に挨拶をして少し車を進めると、何か工事現場の様な農場の施設の様な…良くわからない場所で、そこから立ち上がっていると思われる煙(?)越しの夕日(16時頃)の光が綺麗で、また車を止めて一枚。

↓コレも年末の挨拶ページに使った写真をコントラストを変えて。
煙越しの午後の太陽
↓1日目の夜に、帯広の街中で見たバスの本数の少なさにちょっと驚いたけど、この田舎なら似合う本数。
十勝バスの停留所
 北海道の地名はアイヌ語の音を漢字に無理やり当てはめた読み方が結構多いので、このバス停の地名はなんて読むのかな?と調べたら、そのまま「さままい」だった。もっとも「サママイ」がアイヌ語そのものかもしれないんだけど。

 バス停の写真を撮ってまた車を走らせ、数百メートルも行かないところで嫁さんが、「凄く大きな白い鳥が畑の中に居る!」と。凄く大きくて白い鳥って僕は白鳥しか思いつかないんだけど、でも、ここ釧路の湿原じゃ無くて十勝の畑だしなぁ…と思いながらも、車をUターンさせる。少し戻ったら居た。明らかに丹頂鶴なヤツが。
 僕は'13年末にNikonのデジイチからFUJIFILMのX-Pro1に乗り換えたとき以来まだ望遠レンズを持っていないので、少しでも近くで撮りたいと収穫を終えた畑の畦道に足音立てない様に入って行くと、僕の動きに合わせる様に三羽が等距離で並んで僕と同じ速度で遠ざかって行く。僕が止まると止まり、僕が進むとまた歩き始める…。遊ばれてるのか? 少しそれを繰り返したら飛んで行ってしまいそうになったので諦めたけど。
 しかし、野生の鶴って初めて見たけど、少し遠目からとは言え、想像よりずっと体が大きい…と言うかボリュームを感じることと、それ以上に鳴き声の音量が凄かった。「グァアアァ〜!グァアアァ〜!」という声が腹の底から響く。ちょっと感動した。
十勝・池田町の丹頂鶴
 十勝から帰って暫くしてから偶然見た番組で、どうも最近は以前釧路湿原に来ていた丹頂鶴が十勝の方に流れている…という話を見た。いろんな理由があるみたいだけど、要するに餌等の越冬の環境の良さ…つまり、居心地が良いらしい。帯広の人も地元で鶴を見た記憶は無いと言っていたので、ごく最近の話みたいだ。

 その、丹頂鶴目撃現場と同じ道沿い、さらに数百メートル程度のところに、今度はポニーを飼育している牧場(?)があった。またすぐ車を停める。
 柵のところで奥の方に居たポニーに試しに「おいで〜」と声を掛けてみると、なんだか拍子抜けするくらい普通にこちらにゆっくりと歩いて来た。喜んで走って来るでも無く、恐る恐る警戒しながら近づいて来るでも無く、本当に普通に「呼ばれたから来たよ」…的な。時々通りかかる人が同じ様に呼ぶのかな?
 とても人懐っこいポニーですぐに柵のところまで来たので、最初は頭や体を撫でていただけだったけど、そのうち一頭が嫁さんの服をハムハムし始めたので、その場に少し落ちていた藁なんかを与えてみるとみんながそれを欲しがって寄って来た。最初2頭だったのがいつの間にか数頭周りに来ていた。みんな大人しくてとても可愛い。
池田町ポニー1
池田町ポニー2
池田町ポニー3
↓嫁さんに「はい、こっち向いて〜」と声を掛けたら、ポニー達もみんなカメラ目線に。
池田町ポニー&嫁さん記念撮影
↓顔をすり寄せて来て、服をハムハムし始める。
池田町ポニー服をハムハム
↓藁をくわえると引っ張っても離さない。
池田町ポニー藁を食べる
↓おねだりするポニー達。
池田町ポニーおねだり
↓こんな感じの道路沿いの小さな牧場。
池田町ポニー牧場(?)
 30分くらいこの場に居ただろうか? その間一度も、中から人は出て来なかった。気付かなかったのか、たまたま誰も居なかったのか、それともよくあることで珍しくも無く出て来るのが面倒だったのか…。なんとなくポニー達だけがここで暮らしている様な錯覚すら覚える、静かでのんびりした時間だった。まぁ、道に面してるので、たまぁ〜に車が通るんだけど。
 しかし、ポニーを沢山飼育する商売ってなんだろう? ちょっと思いつかない。

 このポニー牧場から帯広までは、更に1時間以上走って帰ったんだけど、途中の山間部で(多分)野生の犬を見付けた。少し手前で車を停めたら、彼(彼女?)もその場に座ってこちらを見ていたので、声を掛けてみようと窓を開けたらその音にビビったのか、茂みの方に入って行ってしまう。少し離れてからまたこちらを見ていたけど、なんだか少し寂しそう見えた。
十勝の山の中の犬1
十勝の山の中の犬2
 何か餌になるものは無いかな?と探していたら、彼は山の奥の方に去って行ってしまった。冬の厳しい十勝で、彼はどうやって生きてるだろう?

続く
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2014年秋。十勝視察旅行記(12)

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以下、過去記事。
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 『北海道=回転寿しでも旨い』という方程式は、実は聞いた話であって僕自身は未経験だった。たまに札幌に帰った(札幌は僕の実家では無いけど“行く”より“帰る”という方がしっくり来る)ときに、わざわざ回転寿しに寄ろうとは思わなかったので。勿論、札幌や小樽辺りで安くて美味しい“非回転”寿司なら何度か食べたことはある。
 ということで、帯広の回転寿し屋も特に下調べして狙った店はなく、さっき帯広競馬場で「ランチは寿司!」と決めた後に、ネット検索の当てずっぽう。まぁ、探したのは嫁さんなんだけど。

 行ったのは釧路の会社が経営しているチェーン店で、“なごやか亭”という回転寿し屋。道内と何故か関西に2店舗あるらしい。口コミの評価が割と高かったせいか日曜の昼のせいか結構並んで(正確には順番待ち用の椅子に座っていて)、15〜20分くらい待ったかもしれない。なんにしても、“釧路の寿し屋”というのは名前だけでブランドだ。
 席に着き早速注文。システムは東京近辺の回転寿し屋とあまり変わらない気がする。実は回転寿しに行った経験そのものが少ないので、よく解らないんだけど…(勿論、普段高い寿し屋にしか行かないという意味では決して無い)。
 しかしアレだ。回ってる大半は寿司じゃ無いよなぁ〜。行く都度思うけど。

↓本ブログ初の動画『回転する何か食べ物』。


 そう何巻も食べられないんで(そもそも朝飯後にコロッケやら豚丼やら喰ってるし)、結局いつも同じ様に好きなネタだけを頼んでしまう。この日もその傾向。
 子供の頃、基本的に魚介類が嫌いだったので、親は「たまには家族でご馳走」のつもりで行く寿し屋は、僕はあまり嬉しく無かった。勿論カウンター席で握って貰うという訳じゃ無いので好きなモノだけ頼むのでは無く、諸々入った1人前が寿司桶とかに入って出てくるヤツ。僕は玉子とマグロとイクラと鉄火巻き辺りを食べると、もうそれ以上食べられるものが無い。今では大好物のウニも喰えなかった。
 そんな寿しもいつの間にか好物になって、今では嫌いな魚介はかなり少なくなったけど、未だにどうしても喰えない…喰おうと思えないネタがある。それはシャコ。あれだけは喰えない…と言うか、喰ったことが無い。口に入れたくない。旨そうに見えない。

 話がずれた。とにかく量は喰えないので少しずつ注文する。

↓これは確か写真だけ。インパクトがあったので。甘エビ好きだけどこの日は確かボタンエビを食べた。
“なごやか亭” 帯広大通店の寿司1
↓勿論、寿司も時々回転してる。ここから取る気になれないんだけど…。
“なごやか亭” 帯広大通店の寿司2
↓コレ、生サンマだったかな…。
“なごやか亭” 帯広大通店の寿司3
↓北海道で食べるウニはホントに旨い。
“なごやか亭” 帯広大通店の寿司5
↓イクラでは無く筋子の寿司って初めて見た気がする。
“なごやか亭” 帯広大通店の寿司6
 写真の他、最初に書いたボタンエビと中トロと最後にカニ汁だったかな。このくらいでお腹一杯になってしまうんだよなぁ。とにかくどれも旨いしネタが大きいのが良かった(シャリも若干大き目だったけど…)。“十勝で回転寿し”は満足だった。普通の寿し屋にも行ってみたいけど、まぁ、次回かな。


 さて、ホントにお腹一杯になってしまった。お茶すら飲みたいと思えない。少し時間を空けないと食べ物関係は無理なんで、次の“視察地”はどうしよう…と、“なごやか亭”の駐車場の車の中でしばし悩む。景色を眺めるのに少し街を離れてドライブも良いけど、何か目的地が欲しいなぁ…と思いついたのが、池田町にある“ワイン城”だ。
 結構有名な観光地でもあるし、十勝と言えばワインは結構上位に思い浮かぶ物産だ。その『十勝ワイン』は池田町で作られている。その本丸と言うか本部と言うかアイコンが“ワイン城”だ。なんで素直に“本社”と書かないかと言うと、実は今回の旅行で調べるまで僕は知らなかったんだけど、十勝ワインを作っているのは民間企業では無く、地元自治体が運営する“池田町ブドウ・ブドウ酒研究所”というところ。“ワイン城”がその本拠地になる。
 で、本当は今回“ワイン城”に行くつもりは全くなかった。十勝がワインの産地なのは知っていたけど、僕が知っていた十勝ワインは随分昔に一度だけ土産に買って帰った“トカップ”というヤツ。これが僕には本当に不味くて、以来十勝ワインという名には良い印象が無く、ワインは好きだけど“ワイン城”は単なる安ワインの量産工場だろうと思っていたからだ。その印象は嫁さんも同じだった。
 しかし、まぁ、時間も余ったし、帯広からそう離れて無いし、“トカップ”以外にもワインはあるんだろうし…と、ちょっと覗いてみようということに。

 “なごやか亭 帯広大通店”から“ワイン城”までは約26km。ほぼ制限速度でずっと走っていたけど、30分ほどで着いた。池袋駅西口から山手通り〜17号を走って26km北に進むと、浦和、大宮を通り過ぎて“鉄道博物館”に着く(解りにくい例えだけど)。勿論空いていても下道なら30分じゃ無理。多分1時間くらい。北海道を車で走っているとホントに距離感覚が狂う。

 さて、ワイン城は小高い丘の上にあり、周囲をブドウ畑に囲まれていてヨーロッパの様な風景なんだけど、実は建物はコンクリート製で欧州の古城風の意匠は表側だけ。駐車場や入口のある裏側から見たらただのビルだった。昔はこの建物の中で実際にワインの貯蔵・瓶詰めをしていたのだけど、今は隣の敷地に大きく新しい(2004年から)新工場がある。今回行かなかったけどこっちも見学出来るらしい。

↓敷地内にある収穫後らしきブドウ畑。1粒食べたら濃厚な甘みがあった。種だらけだったけど。
“ワイン城”収穫後のブドウ畑
↓別の畑にはまだブドウがちらほら。収穫前なのか後なのか…。
“ワイン城”横のブドウ畑
↓ワイン城の丘の上から十勝平野を望む。ちょうど帯広の方角かな? 遠くにうっすらと日高山脈が見える。
ワイン城から望む十勝平野
 見学コースはワイン城の表側(南側)の入口から入るので、少し丘を下る感じで降りて行く。
↓入口横にはワインの樽が積んであった。
“ワイン城”表側の入口
↓見上げると、壁面にもブドウの実が。嫁が1粒採って食べてた。コレ、収穫するんだろうか?
ワイン城壁面
 中に入ると暗い貯蔵庫になっていて、沢山のビンテージワインの瓶と大量の大きな樽が積んである。この樽から出荷しているかどうかは不明。ビンテージの瓶の方は、研究用の全ての年のものを保存してある…と書いてあった。
ワイン城地下のビンテージワインの説明
ワイン城地下の貯蔵庫
 “トカップ”のイメージから想像していた感じとはちょっと違う。意外に(と言っては失礼だけど)きちんとワインを作ってそうな印象。よくよく考えてみればもう歴史もそれなりに長いし、僕が知らないだけで“トカップ”以外の製品もあるわけだから、美味しいものもあるのかもしれない…と脳内イメージ変更。

 地下の蔵から上に上がると土産物売り場のフロア。結構広い。ワインは勿論、リキュール類の他、お菓子やなんかの土産物が売っている。で、フロアーの隅にカウンターがあって、1杯300円で試飲が出来るコーナーがあった。
↓ちょっとボケてるけどこの9種類(いつも同じかどうかは不明)
“ワイン城”試飲コーナー
↓300円で試飲…の量じゃ無い。
“ワイン城”試飲「凋寒[セイオロサム]」
 レンタカーでなければ3種700円の試飲の方を選んで2人で飲んだんだけど…と、若干無念ではあったけど、嫁さんが1杯だけ選んだこの『凋寒(セイオロサム)』を僕はペロっと舐めさせて貰う。で、その美味さと言ったら! 1本2千円ほどのワイン。嫁さんの好きなアルザスの美味しいワイン(勿論高いのは知らない)と比べても全く遜色無い。いや、もしかすると同じ価格帯なら完全に勝っているかもしれない(※個人の感想です)。これには驚いた…とともに、期待していなかった十勝ワインのファンにいきなり方針転換。当然今回はこれをお土産に購入。
 ちなにみフロアの端に「ご自由にどうぞ」と紙コップと蛇口付きのタルがあったんだけど、ミネラルウォーターか何かかと思って飲んだらワインだった。勿論テーブルワイン的な軽い味なんだけど決して不味い訳じゃ無い。タダで「ご自由に…」と振舞うくらいだから、もしかして“トカップ”はこれより上? …だとしたら、僕は色々悔い改めないといけない。

 お土産フロアには面白いものが他にもあって、まずは『町民用』というラベルの付いた“ジュンテール”というブランデー↓。中身は同じ銘柄のものと全く同じで売値だけが安い。免許証か何か住民の証明が無いと買えないかと言うと、特にそういう制限もなく誰でも買えるらしい。通常は箱のパッケージ付きだけど町民用がそれが無い分安い…ということだ。
“ワイン城”「町民用」ブランデー
↓あとコレ。
“ワイン城”ブランデー原酒
 僕はブランデーのことはほとんど知らないんだけど、嫁さん曰く、30年も寝かせた原酒なのに凄く安い…と。特に右の“アップル原酒(61度/¥1,700程)”を気に入って即買い。後で舐めたら下の上で燃えるような酒だけど、凄くまろやかというのか不思議な“アルコール”だった。

 ドライブの適当な目的地として寄っただけの“ワイン城”だったけど、入る前とは180度イメージが変わって後にする。本当に来て良かった。北海道は食べ物だけじゃなく、(ビール以外の)美味しいお酒もまだまだありそうだ。


続く
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2014年秋。十勝視察旅行記(11)

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 十勝3日目。

 3泊のうち2泊した“JRイン帯広“は、既に書いた様に(そして名前から想像付く様に)JR帯広駅のすぐ横にある。駅の改札(駅舎の出口では無く)からホテルの入り口まで、多分2分と掛からない。

↓部屋が線路側だったので根室本線が目の前。左の方がホーム。滅多に列車が来ないけど、たまたま撮れた。写真奥の方は日高山脈がうっすらと。
JRイン帯広の部屋から見た風景
 楽しみにしていた朝食の“日替わり丼”は『鶏そぼろ丼』だった。一応バイキング形式の朝食なので、ご飯とそぼろは自分で盛る(勿論お代わりも可。しなかったけど)。『イクラ&鮭そぼろ丼』を期待していたんで、メニューの看板を見たときは若干がっかりしたけど、これはこれで結構美味しかった。明日の朝を楽しみにしよう。
“JRイン帯広”日替わり朝食『鶏そぼろ丼』
 1日目にバーH'Sのマスターに貰った椎茸を部屋の冷蔵庫に入れておいたら、なんだか少し変色し縮んできたので、“干し椎茸”にすべく窓際に干して外出。部屋の掃除の人が片付けないことを祈りつつ。
窓際に椎茸を干す
 さて、今日最初の“視察場所”は、帯広市の隣の芽室町にある“愛菜屋”というJAが開いている直販所だ。十勝の下調べをしていたときにチラっと名前は見ていたけど、昨日、清水町のTさんに強烈にお勧めされたので、それは行かねば…ということで。帯広駅(のすぐ横)から車で20分ほど。現地までの10kmほどの道のりはほぼ一直線だった。

 帯広市が終わるまではずっと宅地が続いている感じなんだけど、市境でいきなり広い畑の間に時々雑木林がある風景に変わる(芽室の中心地はまた宅地だけど)。帯広市内でも高い建物がほぼ無いので東京近辺に比べれば全然空は広いけど、芽室に入った途端に十勝らしさを感じる。今日は天気が良く日高山脈も目の前に見渡せて、目の前に気持ちの良い風景が広がる。

 10時半頃に到着。既に人でかなり賑わっている。十勝に来て三日目にして、初めてこんなに人で賑わってるところを見た。
 建物の入り口外側から沢山…いや、大量の野菜が山積みになっている。玉ねぎやジャガイモや白菜等々、1袋がありえない量のパッケージになっている。業務用なのかな?…と思って見ていたら、なんだか普通の主婦っぽい人が買って行く(あくまで見た目のイメージだけど)。
芽室“愛菜屋”外
 広い店内(ちょっとしたDIY店ほどの広さ)に入り、端から野菜の種類と値段を物色。僕は見た事も聞いたことも無い野菜もチラホラ。
芽室“愛菜屋”サボイキャベツ
↓昨日、鹿追の道の駅の直販所で山ワサビを買ったのだけど、こっちの方がずっと安かった…。
芽室“愛菜屋”山わさび
↓超巨大。“札幌大玉”というキャベツ。
芽室“愛菜屋”巨大キャベツ札幌大玉
↓手前が“弘前ふじ”という名前だけど地元産のリンゴ。奥は少しボケてるけど“ひめかみ”と言う元々は岩手県で生まれたリンゴで、名前は“姫神山”から取ったものなんだけど、今ではほぼ北海道でしか栽培していないらしい。
芽室“愛菜屋”
↓敷地内の売店でコロッケ。こういうところで食べるのは大抵美味いけど、これは本当に美味かった。
芽室“愛菜屋”コロッケ
↓新鮮で美味しそうな野菜やリンゴを安価でゲットして、満面の笑み。
芽室“愛菜屋”母屋全景
↓早速車の中で“ひめかみリンゴ”をひとつ食べようと手に取ると、表面はツルツルしていて新鮮さが伺える。ハンカチで拭いただけで皮ごとかじると、これが凄く蜜が多くてしっかりした深い味と甘み。パティシエの仕事で頻繁に各所のリンゴを扱う嫁さんがこのリンゴを触って食べて、感動して涙を流していた。いや、ホントにジワっと。その食材に関する感受性は凄いなぁ〜といつも思う。
芽室“愛菜屋”で買ったリンゴ
 “愛妻屋”は良かった。たまたま色んなモノの収穫時期の10月だからだろうか? なんにしてもこういう直販所がそばにあったら幸せだなぁ。

 “愛妻屋”を出て、来た道を帯広市内に戻る。次に向かったのは“帯広競馬場”。今では世界で唯一ここでしかやっていない“ばんえい競馬”と言うのを開催している。身体が大きい(サラブレットの2倍らしい)本来農耕馬用の馬が、ソリを引いて2箇所ある障害を乗り越えて直線を競争する競馬だ。勿論、本当の農耕馬では無く、ばんえい競馬用に飼育している馬。
 今日、帯広競馬場に行くのは、その“ばんえい競馬”を観る為では無く、場内広場で“フードバレーとかちフェスティバル”というのをたまたまこの土日にやっていたので、これが目当て。今ひとつどういうイベントなのか解らなかったけど、まぁ、テントの屋台が沢山並んでそうだし、なんせ“フードバレーとかち”と銘打っている訳だし、何か美味しいものを昼飯の代わりに食べられたら良いなぁ…と。
帯広競馬場“フードバレーとかちフェスティバル”会場入り口
帯広競馬場内の何か
↓入り口近くで“ばんえい馬”に跨がれる体験コーナーがあった。列は常に10数名ほどが並ぶ。僕らも10分ほど並んで跨る。で、跨っていおいて言うのもなんだけど、子供やら親子やら僕らの様な大人やらを大人しくじっと立ったまま次々と乗せている様を見ていて、なんだか可愛いそうになってしまった。時々乗り方が下手で馬体を不用意に揺らす人のときは後ろ足を少しだけ踏み鳴らすんだけど、そういう所作も含めて。まぁ、一組乗せると人参を1本貰えるから、実は本人(馬)はまんざらでも無かったりするのかな?
ばんえい競馬の馬
↓子供を食べる“メロン熊”。
“フードバレーとかちフェスティバル”メロン熊
↓まぁ、こんな感じの場内。かなり賑わっていた。
“フードバレーとかちフェスティバル”場内風景
↓とりあえず、十勝に来て“豚丼”食べて無かったんで。
“フードバレーとかちフェスティバル”モール温泉豚丼弁当
↓この状態を見ているだけではなんだか美味しそう。
“フードバレーとかちフェスティバル”モール温泉豚丼焼いてるとこ
↓そして手にした“モール温泉豚の豚丼弁当”は、若干看板に偽りあり…的。味も普通…いや、脂身が多くてちょっと。僕は運転手なんでビールも飲めないし、若干不満…。
“フードバレーとかちフェスティバル”モール温泉豚丼弁当とビール
↓十勝晴れ。このキャラが何者かは不明。
十勝晴れ。
 会場を一回りしたけど、結局あまり食べたいモノが無かった。仕方ないので、一応競馬場のトラックを一見して、敷地内の入り口側にある“とかちむら”という道の駅的な直販所とお土産売り場が合わさった様な建物に入る…が、さっき“愛妻屋”に行ったばかりの身としては、ほとんど面白く無かった。

↓帯広競馬場のスタンド
帯広競馬場スタンド
↓帯広競馬場のトラック。思っていたより障害が大きく高さがあった。
帯広競馬場トラック
↓パッケージに惹かれ、試食やってたんで食べたら割と美味くて、何個かお土産用に購入。結局みんな人に配ってしまって家では食べれなかったんだけど。
“とかちむら”内で売ってたスープカレー
↓この漫画の特設コーナーを見たのは、結局ここだけだったなぁ。お土産が欲しい訳じゃ無いから良いんだけど。“銀の匙”自体は好き。つい最近、“鋼の錬金術師”と同じ作者と知って驚いた。
“とかちむら”内“銀の匙”コーナー
 “とかちむら”内には、ラーメン、ビストロ、豚丼、カレーの4件の食べ物屋が入っているんだけど、二人で一つの豚丼弁当ではランチに全然足りなかったものの、なんとなくここは観光客相手(僕らも観光客だけど)の地元の人が通うような店には思えなかったのでスルー。ランチは回転寿司を食べに行こう!と。北海道の回転寿司が侮れないのは、きっと十勝でも同じはず…と期待し。

続く
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2014年秋。十勝視察旅行記(10)

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 ようやく2日目の夜。(10)まで来てしまった。

 今晩から二泊、帯広駅のロータリーに面している“JRイン帯広”に泊まる。ずっとレンタカー移動なんで駅の側に泊まる理由は特に無いのだけど、二泊三日朝食付きで1部屋¥10.400-と格安だったので。一泊では無く二泊、1人では無く2人の料金だ(但しベッドはセミダブル)。しかも駅横なのに駐車場がタダ(ホテルパコ帯広は有料だった)。朝食は日替わりの丼物というのも変わっていてちょっと楽しみだった。ただ大浴場が男女時間制の入れ替えで自由に入れ無いず使い勝手が悪いのと、例の“モール温泉”でも無い普通のお風呂なのが残念。

 チェックインし荷物を置いてから、駅前にある長崎屋に行ってみる。駅周辺ではダントツに大きな建物だったので(高さは無いけど)今日は土曜日だしそれなりに賑わっているのかな?…と。しかし入ってみたらあまりお客さんが居ない。時刻は18時過ぎ頃。たまたまだろうか? 食品売り場も広いし様々な個別店舗も入っていて、東京郊外のこのテの店とさして店内の雰囲気は変わらないんだけど、客だけが妙に少ない。どう捉えたもんか。

↓買い物カート用なのかバリアフリーなのか、こういうエスカレーターは初めて見た。
長崎屋帯広店 エスカレーター
 長崎屋帯広店は僕らにとってとりたてて目ぼしいモノも無く、早々に出た。夕飯はジンギスカンを食べようということになっていて、事前に調べていた“平和園”という老舗の焼肉屋に行く。長崎屋からだと駅の反対側になるけど、やはり駅のすぐ側。ジンギスカンの専門店では無くいわゆる焼肉屋なのだけど、ジンギスカンで検索したら結構口コミが良かったので。地元の人御用達でもあるらしいし。
 店に入ると既に満席。大昔に建増しした様な複雑な構造になっていて、入り口付近では無く店の奥の方で並んで待っていた。20〜30分待っただろうか? やっとジンギスカンにありつけた。

↓まずはビール。…と思いつつ、帯広ビールの地発泡酒を頼んでみた。昨日サラミを買いに寄ったランチョ・エルパソで作ってるらしい。
帯広平和園で地ビール
 で、ここのジンギスカンは一般的なタレに漬け込んだものでは無く、注文が入ってから少量ずつ直前にタレ付けした肉を出す“一丁付け”という方法(昔はこれが一般的だった様だけど手間が掛かるので今は少ないらしい)で、その分あっさりしていて“ラムの焼肉”という印象。逆に言えばジンギスカンを食べた感が若干希薄。そう言う意味では、北海道に来て“ジンギスカン”を食べるのは、やっぱりあの“ジンギスカン鍋”で食べたり、サッポロビール園の様な店の雰囲気も大事なのかもしれない。もっとも地元の人には関係無いんだろうけど。ジンギスカン屋は他にも美味しそうな店がいくつもありそうだし、そもそも自宅でやるんだろうから。
 ジンギスカンの他に2〜3種の肉やカクテキをそれぞれ一皿程度。石焼ビビンバもハーフサイズ、ビールも1杯だけにして、ハナっから二件目に飲み行くつもりでお腹を開けておく。
帯広平和園ジンギスカン肉
帯広平和園ハラミ
帯広平和園鮭茶漬け
 焼肉の後の店は一応決めていたんだけど、ちょっと飲屋街を遠回りして行く。腹ごなしの意味と、もしかしたら通りがかりに入ってみたくなる様な店構えの飲み屋が無いかな?という期待と。

で、↓その途中で見たバス停。中心地でもこの本数か…。
帯広繁華街のバス停
 “十勝バス”はもう90年近くも続く会社らしいんだけど、倒産寸前に父親から会社を引き継いだ現社長を中心に奮闘し、3年前に40年振りの黒字収支になって以来、黒字が続いいているというバス会社。地方バス会社が黒字になるというのは“日本初”らしい。この“奇跡の復活”については、書籍化や地元でのミュージカル化もされている。
 そういう情報を聞いていたモンだから、このバス停の時刻表はちょっと意外だった。一度はそっぽを向かれたバス会社が、“地元に愛されるバス会社”になった理由は、少なくともこの時刻表からは見えない。ちょっと本を読んでみようかな。


 結局2件目は調べていた店に入った。“とっくり”という地元で続く居酒屋だ。美味しい純米酒、しかも可能なら北海道の地酒が飲める店を検索して出て来た。本当はもっとこじんまりとした個人店的なところが無いかな?と検索しても見つからず、歩いてもソレっぽい店が無かったので。

 僕が知らないだけだったかもしれないけど、北海道には多分無いんだろうなぁ〜思っていたモノのひとつが“美味しい純米酒”だ。十勝には日本酒の酒蔵が無いのは知っていたけど(焼酎メーカーは一社ある)、道内に範囲を広げても日本酒の酒造メーカーは少ない。なんせ原料の米ですら北海道産が美味しいと言われ始めたのはつい最近だ。米作りの歴史の浅い北海道では、美味しい純米酒はまだ無いんだろうなぁ〜と思っていた。実際、北海道で有名な日本酒って旭川の“男山”くらいしか聞いたことが無いけど、あんまり良い印象が無い(僕がまだ美味しいのを飲んで無いかもしれないけど)。
 とにかく北海道の日本酒に関してはそんなイメージだったので、この店には道産の地酒が置いてあると書いてあったものの、特別期待はしてなかった。一般に流通している酒をわざわざここで飲むよりは良いか…という程度。

 店内に入ると縦に細長く割と広い。満席では無かったものの結構賑わっていた。カウンター席はあるけど大半が壁に向かっていて、店の人や常連さんと話しをしながら…と言うのを若干期待していたけど、まぁ、個人店では無いし仕方ない。
帯広“とっくり”の店内
 早速注文しようとメニューを見るのだけど、セーブしたつもりのビールと焼肉で結構お腹が膨れていて、どうも食指が動かない。つまみに“クリームチーズの酒盗和え”だけ頼み、お酒の方は各地の地酒を5勺(90ml/1合の半分)から飲み比べられるメニューがあったので、その中で道産の二種類を選んだ。時間帯の割に注文が少ない気もして、店の人には「この後、このメニューを制覇していくから」と伝えて。
帯広“とっくり”メニュー
 で、メニューにあった“金滴吟風”という酒が売り切れで、代わりに同じ蔵の“金滴北雫”という純米酒を出してくれた。その上「もう残り少ないから両方とも飲んじゃってください」と、瓶をテーブルに置いて。
帯広“とっくり”で頼んで日本酒二種
 期待して無かったからだろうか。この両方とも驚くほど美味い。本当にびっくりした…と言ったら酒蔵(いや、北海道)の人に失礼だけど。…失礼なんだけどこれは嬉しい誤算。今回の十勝旅行で美味しい純米酒に出会えるなんて。ちょっと道内の他の蔵のお酒もちゃんと飲んでみようという気になる。ただ、飲み比べメニューの6種類のうち、残りの4種は内地の酒。また次の出会いに期待しよう。
帯広“とっくり”クリームチーズと酒盗和え
 さて、お酒は美味しかったんだけど、平和園で思っていたより食べ過ぎていたことと、店員さんが置いていった一升瓶が二本とも結構量が残っていたこと(両方とも一合以上残ってた様な)で、もうこれ以上呑めない…という状態に。まだそれほど酔って無かったのに。
 という訳で、最後にお茶請けを一杯だけ頼み(お腹一杯だったけど味的に欲しくて…)、結局お酒はそれ以上飲まずに出ることになった。サービスして貰ったのになんだか申し訳無いなぁ〜と思いつつ、明日来れればまた来よう…と。
帯広“とっくり”たらこ茶漬け

続く
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2014年秋。十勝視察旅行記(9)

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以下、過去記事。
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 十勝・清水町は、帯広市の西隣り芽室町を挟んだ更に隣りで、帯広から見ると北西に広がる町。芽室町も清水町も日高山脈に沿っていて(実は帯広市も一部日高山脈に掛かるのだけど)、日高山脈の向こう側は旭川や富良野がある上川支庁…という位置関係。Tさんにこの日案内して貰っているのは、十勝の西端のエリアということになる。
 実は最近十勝に興味を持つまで、北海道のこの辺りでは帯広や富良野の地名や場所は知っていても芽室町(最初“根室”と聞き間違えた)や清水町(静岡のイメージ)は聞いた事が無かった。いや、僕は'03年にツーリングでどちらも通り過ぎているので、気に留めたことが無かった…と言うのが正しい。
 ただ、その清水町の更に北隣にある“新得町”は大分前から知っていた。最初に富良野の名前を知ったのとソースは同じだ。'81年から'01年まで続いた例のドラマの中で、'95年のスペシャルに“新得駅”は登場する(もう20年も経つのか…)。例のお兄ちゃんが、これから駆け落ちするという例の妹を夜行列車に乗せるため、例の親父には内緒で深夜に車で新得駅まで送る…というシーンだ。
 まぁ、それはともかく、以来“新得”という地名にはなんとなく親近感があった。もっともどんな街なのかは全然知らないんだけど。

 Tさんの自家製リフォーム中の家を出たあと、その新得町に向かう。実は僕が一箇所だけリクエストしていた、“共働学舎 新得農場”という団体が経営する『ミンタル』という施設に連れて行って貰うため。“ミンタル”はアイヌ語で「広場」とか「人の行き交う場所」という意味だそうだ。僕等はそこの売店が目当て。この旅行記の“その(4)”の冒頭で書きかけた新得のチーズ工房とはここのこと。
 ここを知ったのは1年くらい前のNHKの番組。本場スイスの伝統的なチーズの作り方を学んだ方が、帰国後に学んだ製法に忠実に乳牛の飼育からチーズ作りまでを行っていて、そして今ではここのチーズが日本国内だけでは無く、スイスを始め欧州各国のチーズコンテストで受賞していると知り、十勝に行く際には是非ここに寄ろうと思っていた場所。“共働学舎”というのが国内に何箇所かあることや、活動がチーズ作りだけでは無いことは後で調べて知ったんだけど。

↓新得農場の“ミンタル”外観
共働学舎 新得農場『ミンタル』外観
↓ショップ部分
共働学舎 新得農場『ミンタル』ショップ
 何種類か買ったチーズは(単純に比較はできないけど)似た様なタイプの(特に外国産)チーズで比べるとかなり割安だと思う…し、東京に戻ってから食べたのだけど、とてもナチュラルで美味しいものだった。まぁ、ここなら当たり前なのか…。
 日本でチーズを普段食べる文化はまだまだだと思うので(価格のせいもあると思う)、欧州の様にびっくりするくらいの種類のチーズが簡単に手に入る様な状況には中々ならないと思うけど、十勝にはここの他にもいくつもチーズ工房がある様なのでそれはそれで楽しみな土地だ。
 ちなみに、僕は初経験だったけどホエー(チーズを作るときに出る汁)ジャムも美味しかった。ジャムというより蜂蜜の様な感じのものだけど、もっとずっとあっさりとしている。

 チーズを買い、ホットミルクを飲み、外のデッキに出ると、凄く人懐こくて可愛いらしい子猫が寄って来た。少しだけ庭を歩いたんだけど、その間先に行ったり後から来たりとずっと付いて来た。
『ミンタル』のデッキに居た人懐こい子猫
 さて、“にゃん”に別れを告げて次に向かう。同じ新得町内だそうだ。

 新得町は90%が森林という“概ね山”の町なのだけど、総面積は東京都の約半分もあるので残りの10%だけでも結構広い。次の目的地まではその10%部分を走る。そこは新得らしく無い、つまり十勝らしい真っ直ぐな道と畑が広がる風景が続く十勝平野の北西部。
 次の目的地は、広い平野の中に住宅が数件だけ寄り合う場所にあった。“ごりらのしっぽ”というパン屋。東京のくらしフェアでTさんから話を聞いていた店だ。金・土・日の週に3日しか空いていない店。たまたま旅程を週末にしたので来ることが出来た。こんなところにパン屋があるなんて外から分からないから、知ってる人だけがわざわざ目指して来る店だ。

↓店(というより小屋)の外観。
“ごりらのしっぽ”外観
 小さな扉を開けて潜る様に中に入ると、一瞬真っ暗で何も見えない。遅れて目が慣れてくると、一つしか無い棚に少しだけパンが並んでいる。見るからに硬くて歯ごたえがあり、味の濃そうなパンだ。
 このやり過ぎなほどの薄暗さと、並んでいるパン達のオーラに圧倒された…。パン屋に入るなり“圧倒された”なんて生まれて初めての経験なんだけど…。
 Tさん曰く、ドイツの片田舎にあるパン屋みたいだと。僕はドイツに行ったことが無いんで知らないけど、そう言われるとなんとなく納得してしまう雰囲気。

↓店内には“超”ハード系のパンが並ぶ
“ごりらのしっぽ”のパン1
“ごりらのしっぽ”のパン2
↓実際の店内はこのくらいの暗さ。本当に穴倉に居る様。
“ごりらのしっぽ”の店内
↓ちょっと反射しちゃって見難いけどメニュー。
“ごりらのしっぽ”のメニュー
 嫁さんがトレイを持ってトングでパンを持ち上げた瞬間、「重〜い!」と。確かに持ってみるとずっしりと来る。“パン”から想像する重さでは無い。
 バゲット状と山型の2種類のライ麦パンと、イチヂクが入った丸いパンを持ち帰り用に、そしてTさん超お勧めのクロワッサンも買い、それは店の外ですぐにかぶりつく。サクサク、ホロホロ。僕(と嫁)の知っているクロワッサンとは全く違う。違うけど…何だろう?と考えるとやっぱりクロワッサン。なんとも不思議な食感と美味さ。“ごりらのしっぽ”恐るべし。

↓そのクロワッサン
“ごりらのしっぽ”のクロワッサン
↓店の外には大量の薪木が積んである。これでパンを焼くらしい。
“ごりらのしっぽ”外の薪
 いやぁ〜、ホントに良い店に連れて来て貰った。クロワッサンをアッと言う間に食べてしまったので、バゲット状のライ麦パンにかぶりついてみるが、硬くてなかなか噛み切れない。…が、やはり美味い。ホテルの部屋に戻ってもパン切りナイフが無いから、これは東京に帰るまでお預けだ。チーズと共に楽しみ。

 “ごりらのしっぽ”に大感激・大感動したこともあり、その後寄った、新得町の東隣にある鹿追町の道の駅の直売所や、清水町にある清水公園内の“サルビアというカフェは、あまり印象に残らなかった。多分、今日、最初の方で行っていたら普通に良かったと思っていたかも。“ごりらのしっぽ”のインパクトが凄すぎて、若干上の空だったかもなぁ。

 17時過ぎにTさんの家に戻る。ちょうど辺りは暗くなり初めてきた。Tさんにお礼を言って、レンタカーに乗り換え帯広に向かう道に戻る。いやいや、濃い半日だった。

 しばらく走っていると、ちょうどバックミラーに夕焼けに浮かび上がる日高山脈の稜線が綺麗に見えたので、写真を撮るのにちょうど良い位置を探しながら走っていたら、若干タイミングが遅くなってしまった…。
夕焼けに映る日高山脈の稜線
続く
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2014年秋。十勝視察旅行記(8)

前回はこちら
以下、過去記事。
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 ようやく二日目のこと。このままのペースだと、たった3泊4日の旅行記に25ページくらい使いそうなんで、少しボリューム減らそう(…とは思うけど)。

 昨夜、バーH'Sを出るとき、マスターから大きな椎茸を貰った。お客さんが持って来たものらしいけど使わないからと…。その大きさにウケて酔っ払ってるノリで貰ったんだけど、帰る前に痛みそう…。
↓嫁さんの顔が隠れる大きさ。
HSマスターから貰った椎茸
 僕は8時前に起きてもう一度“モール温泉”の朝風呂に入った…が、嫁さんはベッドで夢の中。9時頃まで寝ていた。
 結局時間ギリギリ、10時ちょうどにチェックアウト。ホテルパコは一泊だけで今晩から二泊は別のホテルに泊まる。ツアーでもう二泊追加するより安くて良さげなところを探せたので。

 今日は夕べ一緒に飲んだTさんが、清水町を中心に周辺を車で案内してくれるので、御影地区にあるTさんの家に向かう…のだけど、車の中で珈琲を飲もうと立ち寄った“セイコーマート”で、道内でしか売っているものが珍しくて思わず時間を喰ってしまった。
 約束の11時を少し過ぎてTさん宅に到着。レンタカーをそこに停めてTさんの車に乗り換える。大きめのワンボックスの荷室にはアウトドアグッズが満載。車が揺れると鈴が「チリン、チリン!」と鳴る音。夏場、釣りの為に秘境を求めて山の奥深くに入って行くときの“熊避け”らしい。
 Tさんは、車で行けるところまで行くと、草木を掻き分け徒歩で更に山奥まで進み、「この下に有りそうだ」という臭いを感じると臆せず谷や崖を何メートルも降り、自分だけの釣りポイントを探すらしい。ワイルドだ。

 まっ、まずランチに…ということで、山側の林の奥にひっそりと佇む“紀山(きさん)”という蕎麦屋に。ランチしかやっておらず蕎麦がなくなり次第終了…という店で、土曜の今日は昼前に行かないと蕎麦に有り付けない可能性があるらしい。ちょうど12時頃に店に着いたけど、この日は大丈夫だった。
↓“紀山”の外観
十勝清水町の蕎麦屋“紀山”外観
 実はこの“紀山”、“山女魚園”という釣り堀やキャンプ場をやっている施設の中にある。で、どこに釣り堀があるのか?と聞いたら、目の前に見える“小川”がそれらしい。どう見ても“堀”では無く、大自然の中の清流だ。
 車から降りると、大きな犬たちが3匹尻尾をフリフリ寄ってくる。非常に人懐っこくて可愛い。

↓“釣り堀”…らしい
山女魚園の釣り堀(!?)
↓犬たち
紀山の犬たち
紀山の人懐こい犬
 店舗の入り口付近の板張りのデッキには、沢山のガラクタ…いや、古道具が。オブジェなのか、使い古したものなのか、売りものなのか…判別が難しい“ラビット”も↓
紀山の店舗内に置いてあったラビット
↓店内は外観からの印象よりはちょっと日本の古民家的。
紀山店内
 ここは自前で育て収穫した蕎麦の実を挽いて作った蕎麦粉から作った“十割蕎麦”だそうで。僕は“もり蕎麦”、嫁さんは“山ワサビおろし蕎麦”を。
紀山のメニュー
紀山の“もり蕎麦”
紀山の“山ワサビおろし蕎麦”
紀山のもり蕎麦となめこ汁
 十割のしっかりとした味でとても美味い。多分水の良さもあるんだろう。この、ロケーションのおかげで美味しさ1割増しくらいになってるかもしれないけど。二日目も一食目から美味しいスタート。良い場所を教えて貰った。

 さて、次のポイントへ…とTさんの車に。
 十勝・清水町の人口が1万人弱の町だそうだが、町内で飼育している牛の数はその4倍らしい。…ので、車で走っていると結構頻繁に牛(牧草地に放し飼い)が居る風景に出くわす。
↓広がる牧草地の奥には日高山脈
十勝清水町の牧草地と日高山脈
 “紀山”から1軒の民家を見ないまま田舎道を走ること10分ほどか、“円山展望台”という小高い丘の上の展望台に。目の前の日高山脈から十勝平野に続く180度ビュー。下の写真よりもう少し広い範囲が見渡せる。
↓写真右半分が日高山脈、左半分は十勝平野(クリックで拡大)
十勝清水町・円山展望台からの日高山脈と十勝平野ビュー
 次に寄ったのは、Tさんが十勝・清水町に移住を決めた決定打になった、現在自分でコツコツとリフォーム途中の家。なんとなく“北の国から”の黒板家が最初に暮らした家みたいなのを想像していたんだけど、予想外に割とモダンな建物だった。
Tさんが自分でリフォーム中の家外観
↓二階の窓から目の前に広がる日高山脈を見渡せるこの風景が気に入って、北海道中“理想の土地”を探し回ったTさんはここで暮らしたいと札幌から移住して来た。
Tさんリフォーム中の家の窓から広がる風景
↓壁や天井を剥がすところから始めた自家製リフォーム中の室内。
自家製リフォーム中T宅の室内
↓2階の屋根裏部屋の奥。
自家製リフォーム中T宅の屋根裏部屋
 気持ちの良い林の中にありつつ、南側はダイナミックな風景が広がるTさんの“夢の家”だが、真冬でこの人里離れた場所はどうなんだろう?と思わないでも無い。もっとも雪深い地域では無いし街中であろうと移動は車…という土地なので、実は僕らが想像するほど“不便”では無いかもしれない…とも思えた。

 しかし、1/1プラモデル『民家』のカスタム。楽しそうだなぁ〜。

続く
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2014年秋。十勝視察旅行記(7)

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 嫁さんと“北の屋台”と別に、道を挟んだ向かい側にあるもうひとつある屋台村“十勝乃長屋”を一往復してみたけど、こちらの方が屋台(と言うよりもはや店舗)的には綺麗で立派だったのだけど、なんとなく親しみを感じず結局“北の屋台”に戻る。
 オープンして13年経つ“北の屋台”と、まだ4年しか経って無い“十勝乃長屋”とで、積み重なったモノの違いもさることながら、ボランティアベースの町興し的なものと一企業の企画開発モノとでは、1本道を挟んだ両サイドで随分雰囲気が異なるのが面白い。勿論どっちも地元の人がやっている訳で、“町興し”の気概があると思うけど。

↓十勝乃長屋
十勝乃長屋
 で、店頭に生ししゃもが干してあった店に入ってみる。“こころ”という店。
 店に入る前に、またししゃもの写真を数枚撮っていたら、どうも“ししゃも”を珍しがるのは日本人じゃ無いと思われた様で、店に入った瞬間、女将さんが一瞬怪訝な顔をする。「(空いている席を指差し)ここ、良いですか〜?」と“流暢な日本語”で聞いたら、あからさまに緊張が解れていた。

 90年代半ばくらいから“パウダースノー”を求めて欧米豪辺りのスキーヤーから人気が出てきた北海道は(主にニセコの方みたいだけど)、最近はアジア圏、特に台湾、中国、韓国からの観光客が増えていて、中には文化の違いからトラブルもある様だから、商売やってると色々面倒臭いことがあるんだろうことも想像に難くない。こういうのって、かつてバブル景気で日本が湧いている頃に突然大挙して海外旅行に出掛けて行った日本人ダンタイ観光客が、各国の観光地で繰り返した“旅に恥はかき捨て”的行動と同様だと思うと(今もたいして変わらないかも)、その国にやって来た外国人の文化の違いを“理解し合う”方法は?…と考えると、中々難しい話だなぁと思う。知り合いになると理解は深まるけど一見さんに対応する商売の現場では特に…。

 まぁ、とにかくカウンター席に座り、暫くは観光客と地元の人という立ち位置で、当たり障りの無いの無い会話を交わしながお酒を飲んでいるうちに女将さんはだんだんノッて来て、並んて座っている人たちと共に打ち解けてくる。

↓“こころ”のししゃも祭り料理は天婦羅だった。
北の屋台“こころ”のししゃも天婦羅
↓“こころ”の女将。パワフル…もとい、明るいキャラ。
北の屋台“こころ”の女将
↓居合わせたお客さん達とも徐々に盛り上がる。
1
↓しかし、ホント女将さんは良い顔する。
北の屋台“こころ”で客と一緒にはしゃぐ女将1
北の屋台“こころ”で客と一緒にはしゃぐ女将2
 こんな感じで2時間ほど経ち、それじゃそろそろホテルに帰るか…となったとき、隣の男性から「もし良かったら、近所にジャズ・バーがあるんですけど一緒に行きませんか?」とお誘い。喜んで本日3件目に行くことになった。

 その店は僕らが泊まるホテルパコを挟んで“北の屋台”とは反対側にある店だった。“H'S”(サイトは無いみたい)という名前の、もう帯広で30年やっているBar(2009年に今の場所に移転)。
 この日は金曜夜にも関わらず、僕ら4人が店に入ったときには他に誰も客が居なかった(時間が遅かったからかも)。店内はちょっと薄暗くて洒落た感じ。ジャズ・バーと言っても多分ジャズを“生演奏”する場では無く音楽を“流す”方かな。

↓バー“H'S”の店内(流石に暗くてブレた)
帯広のバーHS店内
 カウンター横のテーブル席に陣取る。マスターとその男性は付き合いが長いらしく、「もう、どうせお客さん来ないしさ」と言う男性の誘いでマスターも一緒に席に着き、静かに相槌を打つ感じで酔っ払い4人組みの話に加わる。

 薄暗い店内に目が慣れて来て、カウンター横の棚に並ぶ1/18スケールのミニカーに気づく。僕も結構好きなので、マスターに「見て良いですか?」と声を掛け、席を立ってまじまじと眺める。堰を切ったように、それまで割と寡黙だったマスターと車&ミニカー対談が始まる。そこに嫁さんが加わり(嫁さんは車に詳しい訳では無いのだけど古い車のデザインは好き)、まぁ、とにかく結構盛り上がった。
HSのミニカーコレクション
 マスター曰く「これは安いのを少し店に持って来ただけでね。ウチに帰ると数百台あるよ」と。それは是非見たいと冗談半分で言うと、自宅の住所をショップカードの裏に書いてくれた。それでも半信半疑で「じゃぁ、旅行最終日のお昼頃に行きますから、その前に電話します」と言ったら、「電話、出ないんだよなぁ〜」と言いつつも電話番号も書いてくれる。ホントに自宅に押しかけて良いのか?

 店を出たのは多分2時頃。マスターとミニカーの話で盛り上がったけど、結局“こころ”で知り合いH'Sに連れて来てくれたあの二人は何者だったのか…。とにかく、旅行初日の最後にひとつ、面白い出会いができた。

続く
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2014年秋。十勝視察旅行記(6)

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 足湯で足も気持ちもポカポカになり、帯広市内に戻る。同じ道を戻るのはつまらないので違うルートを。カーナビで時々位置を確認しながら走るけど、帯広駅の方向はもう覚えたのでルート設定はしない。走れば走るほど自分の頭の中に白地図とストリートビューが形成されて、段々勝手知ったる街になっていく。

 宿は帯広駅からすぐにある“ホテルパコ帯広”。ツアーに組み込まれていたホテルに素泊まりで一泊だけ。ツアーには元々食事が付いて無かったんだけど、ホテルのサイトで見た¥1,080-の朝食バイキングがちょっと良さげで…でも、多分朝起きれないので付けるのを止めた。それに旅先で温泉があるなら僕は朝食より朝風呂優先だ。
 チェックインしキーを渡され2階にある部屋の前まで行く。そしてドアを開けた途端、酷いタバコ臭。一瞬部屋を替えて貰おうかと思うほどだったけど、格安ツアーだったので気後れして躊躇(伝えた方が良かったな)。部屋のドアと窓を暫く開けっ放しにしてしのいだ。
 荷物を解きひと息着いたあと、館内地下にある大浴場に行く。“モール温泉”の続きだ。地下にあるのに露天風呂があった。上から見るとL型のビルの建物外になる部分が露天になっている。大雪のときはどうなるんだろう…と思ったけど、十勝は雪が少ないそうだから問題無いんだろう(と思ってたら今シーズンは…)。お湯はぬるめで長く入っていられてちょうど良かった。露天風呂から上を見上げるともう雲は無かったけど、ビルの谷間のせいか星は見えなかった。
 風呂から出ると、案の定僕が先だったので休憩スペースで嫁さんを待っていたんだけど、エステ/マッサージの受付が入り口横にあり暇そうに立ち話している女性従業員が4〜5人。休憩スペースは狭くて僕はそのほとんど真ん前に座るしか無く、そこに居たのは僕一人だけということもあり凄く居心地が悪かった。立派で良いお風呂だったが故に、この点は残念だった。

 さて、帯広最初の晩は約束があった。
 毎年一回、東京/名古屋/大阪で『北海道くらしフェア』という移住促進説明会的なイベントが行われていて、僕は'13年の東京会場に初めて行ってみたんだけど、そこで清水町ブースに居たTさんと知り合いになった。知り合いと言ってもその後1年間は1〜2度やり取りがあっただけなんだけど、旅行の前月の“くらしフェア”に今度は嫁さんと一緒に行き、そこで今回の旅行の話をしたら「清水町を案内しますよ」という話になり、じゃぁ、夜は一緒に飲みましょう…と言う流れ。当初は翌日案内して貰った後の予定だったのだけど、初日に先に飲むことになった。

 そのTさん。俳優の“浅野忠信”にソックリで、一昨年のフェア後に嫁さんにその話をしていたら、去年のフェアに一緒に行ったとき、写真すら見たことの無いTさんを嫁さんの方が先に見つけたくらい。
 Tさんはホテルのロビーまで奥さんと一緒に来てくれた。浅野忠信よりも(多分)長身のTさんなんだけど、初めて会う奥さんはとても小柄で可愛らしい人だった。夫婦の身長差は40cmくらいありそう。その奥さん(Kさん)がまた、アーティストのCharaに似ている。Kさんの方が可愛いらしい雰囲気だけど、浅野忠信似とChara似の夫婦って出来過ぎだ。もっとも彼ら(浅野夫婦の方)は別れてしまったんで、あんまり似てる似てるって言うのもアレだけど…。
 ↓その、十勝・清水町の浅野忠信とCharaことT夫妻。一応ボカしを入れたけどホンモノの顔を想像していただければ概ね同じ。
清水町の浅野忠信とCharaこと、T夫妻。
 T夫妻は帯広市内まで出て来て飲むことはあまり無いそうで、特に店の予約などはしていないと言うことだったので、僕等が事前に調べて気になっていた“北の屋台”という横丁に行ってみることにした。T夫妻も初めてということだった。ホテルからは歩いて1分ほど。
帯広『北の屋台』風景1
帯広『北の屋台』風景2
 個人的に“⚪︎⚪︎屋台村”的な名前を見ると、衰退した商店街の空いた一角を、最近ちょっと流行っているからとお金も手間も掛けずに簡単に真似して町興しを狙った場所…というイメージがあったんだけど、この“北の屋台”のサイトを見たら'96年から企画が始まっていて、“屋台”というキーワードが出てからも随分細かく計画/準備期間を経た後に2001年オープンと、結構前から存在している地元の有志の意気込みが感じられる“ストリート”だった。
 今回10月に行ったときは、写真の様に“屋台”と言うよりは、ガラスの扉に囲われた小さな“小屋”が並ぶ通りだったんだけど、夏の暖かい時期はこのガラスの扉が無くなり開放的な雰囲気になるらしい。是非、その頃にもまた来てみたい。

 “北の屋台”では季節ごとにそのときの旬の食材を使ったイベントをやっていて、この日からちょうど“ししゃも祭り”が始まっていた。全店舗で何らかの“ししゃも料理”を食べられるらしい。
↓とある店頭に干されていた“生ししゃも”。
店頭に干された生ししゃも
 僕ら4人は通りを1往復して、ワインリストがあり燻製が美味しそうだった“煙陣(えんじん)”という店に入った。店内はコの字型のカウンターのみで8人も座ると満席になるほどのスペース。この狭さが良い。
 とりあえず、泡ワインで乾杯。ししゃもの燻製からスタート。
ししゃもの燻製
↓十勝産のシンプルな食材たち。
十勝産のシンプルな食材たち。
↓燻製の盛り合わせ。サワガニも丸ごとカリっと。
各種燻製の盛り合わせ。サワガニもカリッと丸ごと。
 僕はいつものように自分達のことをベラベラ喋る訳だけど、実はT夫婦も札幌から清水町に移住して来た人で、僕ら夫婦にとってその話はリアルでとても興味深く、根掘り葉堀り聞いてしまった。勿論移住話だけでは無く、TさんもKさんもなんとも面白くてアクティブな夫婦で話が尽きない。ツマミも旨いし酒が進む。18時過ぎから飲み始めたんだけど、まだ3時間は経って無いかな?と時計を見ると、なんと22時。楽しく飲むとアッと言う間に時間が経つ。
 明日の時間を決めてT夫妻と別れた。そして僕ら夫婦は次の店に…。

続く
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2014年秋。十勝視察旅行記(5)

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以下、過去記事。
(1) (2) (3)

 音麦を出たのはまだ15時前だった。ホテルに早々にチェックインしてしまおうかとも思ったけど流石にまだ少し早いので、もう一箇所くらいどこか見ようと言う話に。とは言え、ラーメンとパンでお腹に隙間は無く、夜のスペースを空けるべく食以外の“視察先”を探す。

 この晩泊まる“ホテルパコ帯広”には一応大浴場があって、“モール温泉(十勝川温泉が有名)”という名の温泉に入れるらしい。モールとは英語やドイツ語で湿原(泥炭地)のことを言うらしいんだけど、十勝には釧路の様な湿原は無いのに…と調べたら、かつて(と言っても数百万年前)十勝平野は内湾で周囲には湿地が広がっていたらしい。そして長い時間を掛けて地層となった泥炭の間から湧き出るので、“モール温泉”(モール泉とも)と言う訳だ。
 で、まぁ、チェックインすれば温泉に入れる訳だけど、まだ時間もあるし天気も少し良くなって来たので、ロケーションの良い足湯でも無いかと検索していたら、十勝川温泉にある公園内に無料の足湯があると分かった。24h源泉掛け流しということだ。
 どうやら高台にあるらしきその公園で、足湯につかりながら十勝平野の夕景が見渡せるかもしれない…と、音麦を後にする。

 音麦のある帯広市街の南側から十勝川温泉までは、iPhoneのマップで検索したら約13kmほど。なんとなくカーナビを設定するのが面倒で、一度ルートを確認しただけで走り始める。近くまで行けば看板くらい出てるだろう…と。しかし途中で曲がるべきところを1箇所通り過ぎてしまい、戻るまで20kmほど余計にドライブした。それでも昼間の都内を13km車で移動するのと比べれば早い。そもそも空が広くて気持ちの良い道を走るのはストレス・フリーだ。

 無料の足湯がある公園は“十勝ヶ丘公園”という名で、十勝川温泉の北側にある丘の斜面に広がっている。雨はすっかり止んでいたけど駐車場に車は1台も無く、園内を見渡す限り誰も居ない。
 車を降りたとき、パッと見どこに足湯があるのか分からなかったのだけど、駐車場からすぐ先の木造の建物がその足湯だった。「足湯だし無料だし…」と、屋根だけの施設を想像していたのでちょっと意外。…と思うのは、雪の降らない地域の人間だからか。そもそも北海道で、屋根しか無い足湯施設って有り得ないかもしらん。
 常駐の管理人的な人は居ない。中に入ると利用の注意書き等が書かれていて、まぁ、綺麗に使ってください…的な。座るところを拭くための布巾も置いてある。施設はまだ新しい感じがする。ただ、今は24時間いつでも自由に入れる様だけど、どうも問題(?)を起こす輩がたまにいるみたいで、「この状況が続く様では夜間は施錠することになります」…と張り紙。折角の無料足湯かつ、こんなに綺麗な施設だ。是非現状が維持されることを期待。
 湯船のある室内は温泉の熱で暖かい。お湯は若干褐色かな。匂いはしない。早速靴と靴下を脱ぎ、ズボンの裾を捲って入る。足先が暖かくなって幸せ。
十勝ヶ丘公園足湯1
十勝ヶ丘公園足湯2
 しばらく浸かっていると、自分の足を触った嫁さんが突然、「ツルツルする〜!」と叫びに近い声。相当そのツルツル感が気に入ったらしく自分の足を触りまくり、「このまま服を脱いで横になって入りたい!」…と。暫くしてから地元のおじさんが一人来たけど、そのまま誰も来なかったら本当に入るんじゃなかろうか?…という勢いだった。ホテルで入れるから…となだめ、30分ほど“足だけ”浸かって出た。
十勝ヶ丘公園足湯3
 ヨーロッパでは“モール浴”と言って泥炭を直接肌に塗る美容法があるくらいで、モール温泉は一般的な温泉(酸性)と違って泥炭(腐植物)由来のアルカリ性で、石鹸の様なツルツル感があるのが特徴ということだ(効能的には単純温泉等と同じで、泥炭由来の効能は認められて無いみたいだけど)。
 帯広市内のいくつかの銭湯もモール温泉の様で、そんな銭湯が近くにあったら幸せかもしれない。少なくとも嫁さんにとっては。

 足湯から出て車に乗り込む頃には太陽が大分傾き始めていた。まだ10月半ばなのに北の大地は日が落ちるのが早い。
 
続く
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2014年秋。十勝視察旅行記(4)

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以下、過去記事。
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 1年くらい前にTVで知ったんだけど、十勝の食料自給率が凄くて(もしや有名な話?)、ご存知の通り日本の食料自給率はカロリーベースで約40%(この数字は異論もあるけど、一応前提として)。それが北海道だけに限ると、さすが日本の食糧供給基地と呼ばれるだけあって195%に跳ね上がる(日本の農地面積のうち25%は北海道らしい)。じゃぁ、それを十勝地方だけに限ったらどうなるか? これがなんと1100%!。北海道の農家は大規模経営が多いので1軒当たりの耕地面積は全国平均の24倍らしいのだけど、十勝は道内平均の更に2倍の379haになる。
 日本らしからぬ広大な平野に広がる農地で、何がどういう割合で生産されるのか全く知らないし、単純にカロリーベースの計算だけで経済を無視して“食べ物には困らないパラダイス”と言うつもりもないけど、とにかくそれだけ食糧を豊富に作ってる土地なのは間違いない訳で、この話って単に統計や数字上のことなんだけどやっぱり十勝の魅力を代弁している。これが僕ら夫婦が十勝に惹かれた理由の大きなポイントのひとつでもある。流行りの“地産地消”という言葉を出すまでも無く、僕らは単純に、安価(な筈)で新鮮な地元のものを美味しいうちに食べたいだけで、それを毎日“普通に”楽しみ暮らせる土地に住めたら幸せだと思っているので。

 その十勝でパッと思い浮かぶのは、酪農が盛んな地域であり乳製品が充実してるであろうこと。牛乳とかバターとかチーズとか。特にチーズは十勝産を期待していて、日高山脈寄りにある新得町には、国内はもとより本場欧州で数々の賞を取ったチーズを作っている工房もあるし、それ以外にも十勝管内にはいくつもチーズ工房があるらしい。…っと、チーズの話は翌日新得の工房(のショップ)に行ったので、そのときに。

 で、僕は以前、フランスやイタリア、スペインを旅行したときに羨ましかったのが、チーズの種類の豊富さや値段の安さもそうなんだけど、沢山の“サラミ”が市場や店で普通に売っていたこと。特に白カビに覆われたサラミを僕は気に入って、日本ではチーズ以上に高いし簡単に手に入りにくい白カビサラミを、誰か国内で安く作ってくれないかなぁ…と身勝手なイチ消費者として思っていた。で、今やチーズ工房がいくつもあり、畜産も盛んな十勝ならもしや?…と、旅行の前に調べてみると、これが存在していたという訳だ。
 “ランチョ・エルパソ”というブランド(店?)で“どろぶたサラミ”という商品。自分のところで放牧で飼育している豚を“どろぶた”と呼んでブランド化しているらしい。通販もある様だしデパートや道の駅等でも扱ってるみたいなんだけど、せっかく十勝に来たので、とりあえず“ランチョ・エルパソ”の店に行ってみた。

 雨はかなり小降りになっていて、ランチョ・エルパソに着いたときには車から十数m先の店舗まで傘が無くてもほとんど気にならなかった。
 ここは販売所では無く基本的にレストンランで、入り口は木製の扉で大きなウィンドウも無く店内の様子が見えず一瞬入るのを躊躇する。でも扉を開けると入り口付近でオリジナル商品を沢山並べて売っていた。売り場には他にお客さんが居なくて(レストランには居たが)店員の視線を背中に感じ、なんとなく店内の写真を撮りそびれたので、旅行から帰って来てから“どろぶた白カビサラミ”を食べたときの写真を↓(ちなみに紫色のヤツは十勝で買った紫色のじゃがいもを自分でスライスしてポテトチップにしてみたもの)。
どろぶた白カビサラミと紫ジャガイモのポテトチップ
 僕がフランスやイタリアで食べたことのあるものと比べると少し甘みのあるサラミだったけど、やはり濃厚な味わいで美味しかった。しかも安い。商品は小ぶりで細身だけど2本入りでこの価格(リンク先参照)はリーズナブルだと思う。白カビサラミを検索してみたら意外に国産モノは他にもあるらしいんだけど、放牧で育てられた豚から作られた白カビサラミが地元で手に入るなんて幸せな話だ。嫁さんと二人で嬉々として、サラミ以外にもいくつか土産を買った。
 さぁ、次。

 ところで、北海道で豊富に生産されているのに十勝ではほとんど作られて無い農作物がある。それは『お米』だ。北海道自体は新潟と1、2位を争うほどの米生産地なんだけど、十勝には基本的に水田は無い(管内では幕別町のみ。池田町と音更(おとふけ)町で“もち米”は作ってるらしい)。確かに4日間車でそれなりに走ったけど、水田らしき耕作地は一度も見なかった気がする。調べてみたら、道内の米生産エリアは日高山脈や大雪山より西側のいわゆる日本海側気候の雪が多い地域がメインだ。そちらと比べて太平洋・オホーツク海側は冬の気温がかなり下がるので(札幌の人ですら十勝の冬は寒いと言う)、春〜秋に作られるとは言え、米に適さない土地なのかもしれない。
 代わりに十勝が生産する穀物は『小麦』だ。十勝だけで全国の4分の1の生産量を占めているらしい(北海道全体だと全国の6割)。なので、十勝産の美味しい米(そしてそれを使った日本酒)は無くても、美味しいパンはある筈だ…と、探して行ってみたのが“麦音”というパン屋。ここが素晴らしかった(なんだかタイアップ記事みたいになってきたけど、違うので…。念のため)。

 ↓“麦音”店舗外観。外壁は板張りで円形のお洒落な建物。敷地内は庭園や小麦畑(えっ?)があり、敷地面積はナント8,000平方メートルもあるらしい。「日本一敷地面積の広いパン屋」だそうで。
麦音の店舗外観
麦音の庭園
 実は“麦音”のことを調べていて意外な事実を知ったんだけど、この麦音を運営する“満寿屋商店”が10年程前に地元の十勝産小麦100%のパンを製造販売するまで、十勝の小麦はほとんどパンに使われて無かったらしい。十勝の小麦の99%以上は製麺用に本州へ出荷されていたらしく…。この辺りの話、興味ある人はこちらをどうぞ。

 とにかく店内へ。パンのオブジェの看板を横目に売り場に入ると、天井の高い抜けた空間に沢山のパン達が並んでいる。その売り場をコの字型で囲む用に広い厨房とレジがあり、レジの裏側は庭に面したイートインできるカフェ・スペースがある。
麦音入り口
麦音店内
 様々な種類のパンで埋め尽くされた店内…というのは東京でもよくある光景だけど、僕らが喜んだのは大好きなハード系のパンの種類が豊富でとにかく安いこと。僕が特に嬉しかったのは、東京のパン屋ではあまり見かけないけど、フランスのパン屋には必ず置いてある“バゲット・トラディッション(伝統的製法のバゲット)”がここにはあったこと(名前は“とかちバゲット”だったけど)。店内の香ばしい香りと目の前のビジュアルとこの価格に勝てる訳も無く、まだお腹の中にはラーメンが残っているのを忘れれることにして、早速いくつかイートインで食べようということになった。いや、目標は1日4食以上だ。決して負けた訳じゃない。
音麦のバゲット・トラディッション
音麦のミニ・バゲット
音麦の焼きたてバゲット
音麦のメロンパン
音麦のパン
音麦の出来立てフレンチトースト
 イートインで珈琲を飲みながら買ったばかりのバゲットをかじるこの幸せ。カヌレやらカンパーニュも美味い。そしてとにかく安い! 目の前に広がる庭園も綺麗で、天気が良い日ならここでランチするのは最高だろう。
 ただ、何もかも素晴らしいと思う“音麦”の中で唯一(かなり)残念だったのが、このイートインの珈琲が激不味だったことだ。どうしたらこんなに不味い珈琲が淹れられるのだろうか?というくらい。この気持ちの良いイートインで美味しいパンを食べられるが故に、これは本当に残念だった。たまたまだろうか?(いや、それにしても程がある)
音麦のカヌレとバゲット・トラディッション
 実は、パンや建物の写真は4日目に撮ったものも混ざっている。あまりに美味くて安くて感動したもんで、帰りの機内で食べようと空港に向かう前にもう一度寄ってしまった。

 ラーメン腹の隙間を美味しいパンで更に埋めて満足して店の外に出ると、雨はようやく止んでいて、途切れた雲の間からやっと日差しが…。
音麦を出ると雨が上がっていた
続く
たまに行く旅行のこと。 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)