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10周年記念。

 昨日で6月が終わったけど、実は今年の6月は10周年の記念月だった(…ことに数日前に気付いた)ので、ちょっと思い出話を。

 ちょうど10年前の6月、2005年の6月1〜10日の10日間で、僕は生まれて初めて海外を一人で旅した。39歳になった直後だ。それまで一度も海外旅行の経験が無かったので、TVや映画や写真やWebで見るのとは違う、リアルな“他所の国”の風景や街や人や食べ物や空気を感じた嬉しさは勿論、僕自身が受けた予想外(そもそも想像すら出来なかったけど)のインパクトそのものが面白くて、その後の人生に多いに影響を与えた旅になった。
 カタコトの英語すらロクに話せないのに、成田からの往復の航空券以外は全て現地調達…みたいな旅程はちょっと無謀過ぎるかなぁ〜とも思ったんだけど、何故かそのときそれを選択した自分と、更にはなんとかなってしまったことに高揚して、当時旅の間のメモと記憶と写真を頼りにパリ・イタリア旅行記をアップした。今読み返すと恥ずかしい文章だけど、まぁ、今もほとんど文章は上達して無いか…。

 冒頭に“それまで一度も海外旅行を…”と書いたけど、実はその1年前に一度だけ日本から出たことがあった。と言っても当時勤めていた会社の二泊三日のソウル研修旅行だったから、チケットの手配から現地の移動、朝夕の食事まで何一つ自分でお膳立てする必要は無く…かつ、間一日の自由時間以外は終始会社の人間と一緒だったので、ソウル市内の風景が日本とそう変わらないこともあって、あまり海外に行った気がしなかった。
 ただ、中日の自由日は会社の同僚とは行動を共にせず一人で市内をウロついたんだけど、それはそれで海外一人旅の不安感を少しは払拭していたかもしれない。
 
 若い頃から海外旅行に興味が無かった訳では無いけど、若いときほどお金はすべて物欲に消えていた。…し、ほんの何日かで何十万円も消えてしまう(と言うイメージだった)海外旅行に、お金を使う余裕は無いと考えていた。だから海外旅行は僕にしてみれば、いわゆるちょっとしたお金持ちか、海外旅行以外に趣味の無い人か、一旦世間を切り捨てて何ヶ月も何年も旅をする強者のどれか…くらいに思っていた。
 それに英語が話せないことによる不安感と無力感は相当あって、現地でのやり取り(特に空港)や、それこそ何かあったときの対応への不安や、それ以上に現地の人と話せないなら海外に行く意味があるのか?…という状況に対して、わずか数日の間に十数万円以上もの大金を投下する気になれなかった。まぁ、かと言って、英会話の勉強はやらなかったけど(ちなみに英会話関連の本は本棚に何冊も並び埃を冠っているタイプ)。

 そんな人間が40歳を目前に突如として海外一人旅をするまでに至った理由は、当時一緒だった最初の奥さんの知り合いのフランス人青年が、パリに戻るという話を聞いたのがきっかけ。
 そのフランス人くんは相当な美男子だったのだけど当時日本人の彼(彼女で無くて彼ね)が居て、その彼がテクノ好きが高じて本場ドイツ行きを決め、フランス美男子くんは「フランスに帰ればドイツは隣だから」と自分はパリに帰ることになった…という話を、ウチで開いたホームパーティに来た二人から聞かされて、僕は生まれて初めてゲイ・カップルの知り合いができたなぁ〜なんて感想を持ちつつ、その二人のまるで国境を感じさせない雰囲気が羨ましかったことと、フランス美男子くんは日本語が堪能だし、たまたまパリには僕の大学時代の同級生も住んでいたので、もしパリに行くならとりあえず彼らに助けて貰える…と言う考えがふつふつと。

 当時僕は既にサラリーマンを辞めて半年ほど経った頃で比較的仕事の時間は自由になったけど、もしヨーロッパに行けるとしても格安航空券になるので往復で3日は取られるから、最低でも全体で10日間は欲しい。でも普通のOLだった元嫁さんは一週間休むのは難しいかなぁ〜と躊躇してたら、彼女が「一人で行って来たら?」と非常に有難いお言葉。
 実は彼女は学生の頃に海外への旅行や短期留学の経験があって、自分自身は実際に現地を少しでも経験する良さを肌感覚で知っていたので、僕にそれを勧めてくれた訳だ。これには本当に今でも感謝している。
 僕は躊躇をすぐに引っ込めて安くて安全そうな航空券を探した。

 当時、ユーロのレートはちょうど今と同じくらいの130円台後半。ただ、まだ原油が高騰する前だったので“燃油サーチャージ”が無く、『航空券代≒往復のチケット代』だった。
 今ほど便利では無かったけど一応ネットで格安チケットを探せる時代にはなっていて、キャセイパシフィック便の香港経由パリ往復のチケットが、確か『¥49.800-』。これに成田の空港利用料金、現地税なんかをプラスしても5万円台半ば。本当に格安で欧州に行けることになった。
 また、なんとなく…だったけど最初の海外はイタリアに行ってみたいとずっと思っていたので、パリからイタリアに入り、またパリに戻る…というおおまかな旅程を組み、パリ〜ミラノ往復の格安航空券も日本でネットで購入しておいた。友人から聞いたライアン・エアーという今では日本でもすっかり定着した“LCC”の航空会社(今や欧州最大の航空会社)で、パリ〜ミラノの往復チケットがなんと2ユーロ。片道たった1ユーロだ。まぁ、空港利用料がそれぞれ別途2千円くらい掛かるので実際には合計5千円ほどになるんだけど、それにしても…という価格で驚いた。
 空席率が高いときほど座席は安く席が埋まって行くほど金額が上がる仕組みで、僕が旅行の4週間ほど前に買ったのは、行きのパリ(ボーベー)発も帰りのミラノ(ベルガモ)発も早朝一番の便。実はボーベー空港もベルガモ空港もローカル空港で、パリやミラノと言ってもそれぞれ空港まで街の中心から鉄道や高速バスで1時間ほど掛かる田舎にある。
 そんな訳で、街と空港間の移動費合計の方が、ボーベーとベルガモの往復より高くなった。勿論、航空券を往復2ユーロで買えたからだけど。
 いずれにしても、両日とも朝6時には空港に行かねばならなかったので、初日のボーベー泊とイタリア最終日のベルガモ泊だけはネットで空港近くのホテルを予約しておいた。この予約も、例えばBooking.comの様に世界中の宿の予約が日本語で可能…なんてものはまだ無くて、地名で検索してWebサイトが出てきたホテルに直接メールを書いて予約…というやり方。英語ができない僕にはこのメール(FAXも)のやり取りが旅行前の最大の難関だったことも、今は良い思い出のひとつ。

 道中のことはよっぽど暇な人は旅行記を読んで貰うと伝わると思うけど、とにかく見るもの聞くもの音や雰囲気も何から何まで新鮮で、もう、5歩進めば写真を撮って、10歩進むとメモをして…という感じだった。
 やはり予想外だったし楽しかったのが、現地の人とそれなりにやりとりができたこと。会話する…というレベルには勿論ならない訳だけど、イタリアやフランスでは英語が意外に話せない人も多く(ということすら想像出来なかった)、とは言えお互いに一番の“共通語”は英語で、とりあえず思いついた英単語のみを並べ、旅行会話本(『指差し会話』というヤツが非常に役に立った)を見せたり、メモ帳に絵を描いて見せたり…。大変ではあったけど、そういうやりとりでも現地の人と意思の疎通が少しずつとれることが楽しくて仕方なかった。
 それと、こうやって自力で言葉って覚えるんだろうなぁ〜と実感したのは、何かどうしても解決しないといけない場面…例えばチケットを買うとか…で、その辺りに居る人に聞ければ良いんだけど、そもそも会話ができないから聞けない訳だし、特に最初の頃は見ず知らずの外国人(僕の方が外国人だけど)に尋ねる度胸が無かったので、とにかく看板や表示の文字をその場でいちいち辞書で調べたこと。一回目では覚えられないけど、駅やストアで同じ単語は何度も出てくるので、そうしているうちに覚える。生活(旅行だけど)にどうしても必要な単語(や聞き方)から順番に覚える訳だ。

 たった5日間しかイタリアに居なかったけど、その間に辞書を調べ、現地の人に聞き…を繰り返しているうちに、なんとなく現地のやり方や常識…つまり生活文化や生活している人そのものを感じ取れてくる。自分が外国人の立場で(アジア系に対する偏見の目は良くも悪くも気付かなかったけど)現地の時間を共有し肌で感じるという経験は、あぁ、これがわずか数日の海外旅行に数万数十万円を払う価値なのか…と、身を以て実感できた。まぁ、つまりモノからコトという話だ。旅の少し前からそういう方向にシフトしつつはあったんだけど、この旅をきっかけにお金の使い方(と言うよりも生き方)がシフトした。まっ、完全に物欲が消えた訳じゃないけど…。

 その後、結局一度も旅行記にまとめてはいないけど海外旅行にハマってしまい、次はいきなり4ヶ月後の10月に、もう一度同じキャセイパシフィックで香港(途中降機で半日)+パリ2日+イタリア10日間という旅に。翌年、アメリカとタイに行ったり、'07年はガウディを見にバルセロナ経由のパリ…とか、'08年までにパリには回数だけなら合計7回訪れた。
 '09年以降はベトナム・ホーチミン、中国・上海、台湾とアジアばっかりで、2008年5月を最後に欧州に行けてないのが残念。まだまだ行きたいところはたくさんある。金銭的な問題なので仕方ないけど…。

 今、国内で暮らす日本人のうち、実際どのくらいの人が海外で人と交流する経験を持っているんだろう? 全てお任せで行けるツアーでは無く…。
 僕自身、海外への興味がそれほどでも無かったのは、金銭的な障壁がそれなりにあることも大きいけど、TVや映画である程度知ったつもりになっていることも大きいかもしれない。それが切り取られた一部の映像だとは思っていても、切り取られた大半の方は想像できないのにも関わらず。
 実際自分が海外を歩いて感じたのは、当たり前だけど何処に行ってもそこには普通に暮らしている人が居て、その人達が良い人なのか悪い人なのかは勿論一見では判らないけど、少なくとも僕が少しでも袖を触れ合った人たちは親切に接してくれたし、実際僕らと意識はそう変わらないんだろうなぁと見ていて感じた。良くも悪くも…だ。40年近くどっぷり日本のドメスティックな文化に浸かって僕だからこそ、(日本の)大人の目線で比べて見えてくる面もあると思うし、若い頃に行けてたら見えないまま終わったところもあると思う(まぁ、それはどっちでも良いし、有り得ないことを比べても仕方ない)。
 実は、僕の母が僕と違って語学が堪能で、外国の人を時々ウチに泊める様な人だったから、僕が小学生の頃に学校が終わって家に帰ると知らない外国人が居た…なんてことはたまにあったんで、外国人に対しての距離感みたいなものは比較的無かったと思う。それでもやっぱり実際自分の方が他所の国に行って、歩き、食べ、話すことで感じることは、単に外国人と触れ合うのとは全く違う世界が広がっていた。ものの考え方や捉え方が旅でガラっと変わった。ただ海外を旅をするだけで、人生に対して相当なインパクトが僕にはあった。

 もし、39歳までの僕の様に、言葉ができないから…という理油だけでなんとなく躊躇して、一度も海外に自分の足で出た経験が無い人には、是非旅に出る様お勧めする。それも出来ることなら一人で。きっとなんとかなる。今は海外でもスマホ1台あれば情報はいくらでも手に入るから、10年前より遥かに敷居は低いはず。
 数日の旅に数十万円払う価値は絶対ある。行き先はどこでも良いし、行ける体力さえあれば何歳でも構わないと思う。いや、むしろ大人の…日本の常識やステレオタイプな情報で満たされた頭の持ち主の方が、それを柔らかくするのに海外への旅は最適だ。(行き先にも拠るけど)大人が出来る比較的安全な冒険でもある。10年経った今もその気持ちは変わらない。


 さて、久しぶりにヨーロッパに行くか(…と書いておこう)

人生初機内食
キャセイパシフィックで成田からトランジット先の香港に向かう機内にて。人生初の3時間以上のフライト、そして二度目の機内食(人生初はソウル便。国内線で機内食の経験無し)。結構美味かった。若干しょっぱいのを我慢すれば…。

たまに行く旅行のこと。 | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

若い人が、国内志向になっているようです。
海外留学生も激減。
狭い国にモノカラーで生きていると、多様性に対する抵抗感が高まるのでは?
心配しています。
徳山てつんど | 2015/07/02 8:47 AM
てつんどさん

ネトウヨと呼ばれる人たちやヘイトスピーチデモを繰り返す様な人達が、若者なのか日本から出たことがないのか知りませんが、実際自分の目で見て判断している感じがしないんですよね。
そこまで極端な指向の人では無いとしても、好き嫌いは自分の目で見て考えるべきと思います。日本はかなり独特な文化であることを認識できるし。
moriy | 2015/07/02 11:16 AM
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