『風立ちぬ』
『風立ちぬ』(2013年/日本)
思いの外、感動したので約3年半振りに映画の感想を。
(映画はとても良く観てるんだけどねぇ〜)
実は劇場に観に行くほどの興味は無かったんだけど、NHKのドキュメント番組“プロフェッショナル 仕事の流儀”で宮崎駿氏のドキュメントを観て急に興味が湧き、近所のシネコンへ。
この映画、公開直後から賛否両論があってその内容もなんとなくは聞こえていたけど、元々映画自体にそれ程興味が無かったのであまり気にして無かった。…なのでストーリーを含めた事前の予備知識は、その“プロフェッショナル”で得た制作現場の裏側的な情報ばかり。そこそこ“素”の状態で観れたと思う。
結果、とても感動した。わざわざ観に行って良かった。
ジブリ(と言うか宮崎駿氏の)作品をすべて観ている訳じゃ無いけど、『千と千尋の神隠し』の世界観がダントツに好きな以外はそこまでピンと来たことが無い。『紅の豚』や『ラピュタ』辺りは、まぁ、好きな方だけど、純粋に面白かったなぁ〜と言えるのは、ジブリ以前の『未来少年コナン』や『ルパン三世 カリオストロの城』。勿論子供の頃に観たので“初見&思い出”バイアスが掛かってる。ただ、後のジブリ作品は、これ等の世界観の焼き直し的な印象が僕にはあって…(あれだけの作品を、況して何作も作るのは、僕みたいな凡人には絶対出来ないと解って書いてる)。
とまぁ、ジブリの新作には元々それ程期待値が高く無いので、僕自身のしきい値が低くなっていたかもしれない。しかしなんにしても、この『風立ちぬ』はのっけからエンドロールまで引き込まれ続けた。2時間ちょいある上演時間が短く感じられた。
僕は今までのジブリの“子供に向けたファンタジー感”がしっくり来なかったのかもしれない。
じゃぁ、なんで『千と千尋〜』だけは…と考えると、どうやらあの世界観が個人的に非常にノスタルジーを感じる風景がてんこ盛りになっているかららしい。少女の成長物語にはそれなりに共感はするものの、それよりシチュエーションも含めて丁寧に描かれた様々な“情景”と、それをリアルに感じさせるアニメの“表現力”が合わさり、僕にはとても現実的な世界として感じられたことの方が凄く面白かった。遥か昔に行ったことのある気に入った場所の“旅番組”を観ている感覚に近い。
そして今回の『風立ちぬ』は、人間ドラマとしてジブリ作品としては群を抜くリアルさを感じた。
それが実在の人物や零戦開発のストーリーだから…ということでは無く、様々な立場、思考、時代背景等々、それこそ人それぞれ千差万別のあらゆるタイプの人と人が触れ合うときの危うさを感じさせる緻密な演出や、アニメでしかなし得ない表現力を生かした人やモノの生き生きとした動き(これはジブリの真骨頂だけど)、それ等が合わさったとても上質なヒューマンストーリーだと感じた。
しかし、やっぱりジブリの作るアニメーションは凄い。冒頭の関東大震災のシーンなんて、僕は心の底から恐怖感を感じていきなり涙が出た。3/11をリアルタイムで感じた影響もあるだろうけど、それを宮崎駿氏も意識して作った筈なので、あの表現力には敬服するしか無い。多分相当苦しんで作ったと思う。
アニメの素晴らしい表現力も含めた上で、ジブリ作品を初めて“映画”として観れたかもしれない。
BDが出たら買うとして、とりあえずもう一回は劇場で観ようかと思ってる。
ジブリ映画の“空”は、パラグライダーで体験飛行したときの爽快感を思い出させる。
思いの外、感動したので約3年半振りに映画の感想を。
(映画はとても良く観てるんだけどねぇ〜)
実は劇場に観に行くほどの興味は無かったんだけど、NHKのドキュメント番組“プロフェッショナル 仕事の流儀”で宮崎駿氏のドキュメントを観て急に興味が湧き、近所のシネコンへ。
この映画、公開直後から賛否両論があってその内容もなんとなくは聞こえていたけど、元々映画自体にそれ程興味が無かったのであまり気にして無かった。…なのでストーリーを含めた事前の予備知識は、その“プロフェッショナル”で得た制作現場の裏側的な情報ばかり。そこそこ“素”の状態で観れたと思う。
結果、とても感動した。わざわざ観に行って良かった。
ジブリ(と言うか宮崎駿氏の)作品をすべて観ている訳じゃ無いけど、『千と千尋の神隠し』の世界観がダントツに好きな以外はそこまでピンと来たことが無い。『紅の豚』や『ラピュタ』辺りは、まぁ、好きな方だけど、純粋に面白かったなぁ〜と言えるのは、ジブリ以前の『未来少年コナン』や『ルパン三世 カリオストロの城』。勿論子供の頃に観たので“初見&思い出”バイアスが掛かってる。ただ、後のジブリ作品は、これ等の世界観の焼き直し的な印象が僕にはあって…(あれだけの作品を、況して何作も作るのは、僕みたいな凡人には絶対出来ないと解って書いてる)。
とまぁ、ジブリの新作には元々それ程期待値が高く無いので、僕自身のしきい値が低くなっていたかもしれない。しかしなんにしても、この『風立ちぬ』はのっけからエンドロールまで引き込まれ続けた。2時間ちょいある上演時間が短く感じられた。
僕は今までのジブリの“子供に向けたファンタジー感”がしっくり来なかったのかもしれない。
じゃぁ、なんで『千と千尋〜』だけは…と考えると、どうやらあの世界観が個人的に非常にノスタルジーを感じる風景がてんこ盛りになっているかららしい。少女の成長物語にはそれなりに共感はするものの、それよりシチュエーションも含めて丁寧に描かれた様々な“情景”と、それをリアルに感じさせるアニメの“表現力”が合わさり、僕にはとても現実的な世界として感じられたことの方が凄く面白かった。遥か昔に行ったことのある気に入った場所の“旅番組”を観ている感覚に近い。
そして今回の『風立ちぬ』は、人間ドラマとしてジブリ作品としては群を抜くリアルさを感じた。
それが実在の人物や零戦開発のストーリーだから…ということでは無く、様々な立場、思考、時代背景等々、それこそ人それぞれ千差万別のあらゆるタイプの人と人が触れ合うときの危うさを感じさせる緻密な演出や、アニメでしかなし得ない表現力を生かした人やモノの生き生きとした動き(これはジブリの真骨頂だけど)、それ等が合わさったとても上質なヒューマンストーリーだと感じた。
しかし、やっぱりジブリの作るアニメーションは凄い。冒頭の関東大震災のシーンなんて、僕は心の底から恐怖感を感じていきなり涙が出た。3/11をリアルタイムで感じた影響もあるだろうけど、それを宮崎駿氏も意識して作った筈なので、あの表現力には敬服するしか無い。多分相当苦しんで作ったと思う。
アニメの素晴らしい表現力も含めた上で、ジブリ作品を初めて“映画”として観れたかもしれない。
BDが出たら買うとして、とりあえずもう一回は劇場で観ようかと思ってる。
ジブリ映画の“空”は、パラグライダーで体験飛行したときの爽快感を思い出させる。