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ルノー・トゥインゴ(初代)が好き。

 実は一度も乗ったことが無いんだけど、2年ほど前から我が家の次期愛車の最有力候補。勿論購入予定は未定。この記事カテゴリーの名前は『持てないけど車が好き』…だ。先日ルノーの新しいルーテシアに試乗したんだけど、それにちょっと刺激されてトゥインゴのことを書きたくなり…。

 とりたてて車の必要性は無い我が家で次期愛車の話が出始めたのは、数年前から夫婦の間で盛り上がり始めた北海道への移住話がきっかけだった(十勝視察旅行)。で、もし北海道に暮らすなら車は必需品だよねぇ〜と。要するに物欲話なんだけど。
 まぁ、それで、必要で買うんだからとりあえず何でも良い…とは思えないのが僕ら夫婦の悪いところで、二人がこよなく愛するクロモリフレームの自転車機械式腕時計、スナップオンのミラーツール、そしてコッパちゃんの様に、使っていても見ていても嬉しくなる様な車が欲しい。但し、可能な限り安く…と。
 僕らの車の好みは基本的に旧車の部類なんだけど、日常の足にもなり格安で…となると、あまり古い車は難しいので、'90年代頃以降の“チョイ古”欧州小型車辺りが現実的になる。もう少し古い方が魅力的な車は多いのだけど…。

 で、北海道と言えば雪国、雪国と言えば四駆…となるんだけど、欧州コンパクトにはAWD(4WD)車がほとんど無い。パンダ4X4くらい(僕は好きなんだけど…)。多分欧州では、小型車に四駆なんてそもそも不要で車重と価格が上がるだけでムダ…ってな感じなんだろう。小型車の売れ筋は日本と違って大抵最安グレードだし。メーカーもユーザーも合理的だ。確かに、僕も去年、数年ぶりに真冬の北海道を少しFFで走ったけど、最近のスタッドレスならほとんど問題無く走ることができる。
 ただ、雪道を「走れる」か「遊べる」かで考えると、、雪の峠道でAWD車をアクセルでコントロールするのはかなり面白いのも事実で、僕自身が“北の国”でもFFで十分…と割り切れるまで時間が掛かった。勿論嫁にはその視点は全く無いけど。

 あぁ、そう言えば1台だけ、嫁が大いに気に入った欧州製の小型四駆があった。旧ソ連時代から未だにロシアで作ってるラーダ・ニーヴァという車。初代パンダを丸目にして眉毛を付けた様な顔でファニーだし、何十年も変わらないカタチがイイ。
 今はエンジンがフォード製で足回りや細かいところも改良されていて、それならガワは旧車でも中身に信頼性もあるし…なんて思って調べたら、新車が300万円もする。一瞬で膨らんだ期待が消えた。仮に300万円で車を選ぶとしても、ニーヴァには…。

 さて、前置きが長くなったけど、兎に角'90年代以降の欧州FF小型車の中で、僕ら夫婦が“次期愛車”として合意に至ったのが『ルノー・トゥインゴ(初代)』だ。本国フランスでは'93〜'07年まで、14年間もスタイルを変えずに販売されたロングセラー・モデル。コンパクトでファニーな見た目に騙されるけど、内容は合理的で実用性が高く、欧州コンパクト・ハッチの鏡の様な車だ。
 左ハンドルのみ、ミッションが5MTかeasy(イージー)という“AT未満”みたいな2ペダル車しか無かったことや、途中でインポーターが変わったり等も影響して、当時139万円(MT)という輸入車としては破格の安さだったにも関わらず、日本ではあまり売れなかったけど…。
 しかしこのトゥインゴの写真を嫁に見せた瞬間、その『涙目フェイス』に一発で惚れてしまった。

↓多分、嫁の中ではトゥインゴはこんな風に見えてる(発売当時の広告用イラスト)
初代トゥインゴ・広告イラスト

 現在40代半ばより上の車好きなら、初代トゥインゴで思い出すのはホンダの初代トゥデイだと思う。少なくとも僕はトゥインゴの発表当時に、「トゥデイじゃん!」とツッコミを入れた一人だ(もっともルノー自身が、トゥデイをベースに…という話を否定していなかったらしいけど)。
 だから嫁がいきなりトゥインゴを気に入ったのは僕にはちょっと意外だった。てっきり「なんか軽みたい…」とか言うモンだとばかり。でもそれは僕がトゥデイを知ってるから思う訳で、嫁はトゥデイを知らず(涙)、全く先入観無しにトゥインゴの良さ瞬時に感覚的に理解した訳だ。むしろ僕の方がトゥインゴを少し偏見の目で見ていたかも…。
 実際のトゥインゴは、550cc軽規格だったトゥデイよりふた回りは大きく見える。直線基調で平板なトゥデイと丸みのあるトゥインゴとでは実車の印象はかなり違って、同じ“モノスペース・ボディ”でもトゥインゴの方がずっと膨よかで愛嬌がある。
ルノー・トゥインゴ(2002)
(画像出典:NewCarShow.com

 と言っても、現代の目線で見ればトゥインゴは相当小さい車で、今の660cc軽規格と比べて全長は3cmしか違わないし、全高はハイト系が主流になった軽よりもずっと低い。
 確かに現在の軽(特にハイトワゴン系)に乗ると室内の広さには本当に驚く。特に後席の足元はヘタな普通車とは比べものにならないほど広大だし、天井は頭上の遥か彼方にある。ただ…昔程では無いけど…やっぱり横方向が窮屈だ。
 その点が横幅は5ナンバーサイズのトゥインゴは余裕がある。低い車高でも頭上に窮屈な印象は皆無。室内を広げるためにタイヤを四隅に追いやり、全高を低くし重心を下げた車体は、当然ながら走行の安定感に大きく貢献するはず。トゥインゴは実用性・快適性を損なわない範囲で最もミニマムなサイズ感じゃなかろうか?…と思ってしまう。そんな合理性に、ファニー・フェイスで可愛いだけじゃない、使い勝手の良い“道具感”があることが、トゥインゴの最大の魅力。
 まぁ、まず軽サイズ枠ありきで作られた車と、必要最小限の最適化を考えて出来た車を比べてしまうのは、ちょっと日本の軽には酷な話ではあるけど。

 僕がトゥインゴのエクステリア・デザインで特に気に入っているのは、ボディー下部が内側に織り込まれて丸くなっているところ。昔の車は下部がこういう形状になっていたのは普通だったんだけど、空力が低速域でも意外に燃費に効くと分かってからは、スポーツモデルじゃ無くてもアンダー・スカート付きデザインになってしまった。フロントとボディー側面が地面近くまで「ストン」と垂直に落ち(ヘタすると少し逆反りして)、最下部を「スパッ」と切る処理。僕はどうもあれが好きじゃない。なんか蓋の無い入れ物をひっくり返したみたいで…。

 車内は極めてチープ。ドアパネルの一部やピラーの内側が鉄板剥き出しだし(それが良いんだけど)、デザインも質感も背伸びしたところが一切無い。“身の丈”を徹底的にデザインした感じで非常にシンプル。かつ、実用一辺倒ではなく遊び心もある。ダッシュボードのセンターに「ピョコ!」っと飛び出た半球状の赤いボタンはハザードランプのスイッチで、ちょっとXウィング・ファイターにセットされたR2-D2的(解るヤツにだけ解れば良い)。あるいはモグラ叩き。用も無いのに押したく(叩きたく)なる。
 シートは('98年以降の後期型しか知らない。形状の異なる前期型のシートは未体験)座ると身体後ろ半面をシート全体で支えてくれる感じ。この辺りは良く言われるけど仏車の伝統なんだろうな。少し前に見に行った同じルノーの初期型5(サンク)も、先日試乗したばかりの現行ルーテシアも似た印象だった。
 2ドアなので当然リアシートへのアクセスは4ドアに比べれば悪いんだけど、リアシート自体は前後に大きくスライドし、一番前にすればそれなりに荷物が載るし、一番後ろにすると足を悠々伸ばせるほど広い。シートアレンジもこの時代の車としては多彩。また、リアのシートバックを倒し座面全体を前席側に引き上げると、室内の後ろ半分は床から天井まで目一杯荷室に使える。昼間はちゃぶ台置いてリビング、夜は布団敷いて寝室…みたいな四畳半和室的合理主義が、なんか『ゼン』でイイ。
ルノー・トゥインゴ全席側内装(2002 )
(画像出典:NewCarShow.com

 さて、冒頭で「一度も乗ったことが無い」と書いた。それでもきっとトゥインゴ(のMT)なら楽しいはず…と想像している。
 少し前に、たまたま古い軽トラ(MT車)に乗る機会があって、マニュアル車を運転するのは10年以上振りだったので、エンストや少しギクシャクした運転になるかな?と、走り始める前は若干緊張したんだけど、最初にクラッチ繋いだ瞬間から身体が感覚を覚えていて手足が自然に動き、その後はひたすら楽しくて仕方なかった。シフトタッチが良いとか、エンジンが楽しいとか、そういうエモーショナルなのは一切無い。単純に、軽くて非力な車をマニュアルで上手く走らせる面白さだった。車を手放して以来借りる車はAT車ばかりだったので、もうすっかり忘れていた感覚。
 いや、すっかり忘れていたと言うより、今ドキ2ペダルMTだってある訳で、もうクラッチ付きのMT車なんて街中で面倒臭くて、二度と欲しいなんて思わないだろうなぁ〜と思っていた。スポーツカーならともかく。だから逆に自分の気持ちが新鮮だった。
 そうか、そう言えばクロモリ・ロードを買ったときも同じだ。普通に自転車に乗るだけで楽しいことに、偉く驚いた。それは3年半経った今でも同じ。楽しくてずっと乗っていたい!というんじゃなく、近所へ買い物に行くチョイ乗りでも、軽い自転車でいちいちギアを選びながら走るのが、毎回ちょっとずつ楽しい。
 やっぱり“上手くクラッチを使って”ってところがミソだな。サーキットで1秒を争うなら機械の方が上手いだろうけど、楽しく乗るならクラッチが必要(渋滞の無い地域で乗る予定だし…)。
 それでMT車がちょっと気になって試乗したのが、最初に少し触れたルノー・ルーテシア。今年の1月にラインナップに加わった0.9Lターボの5MT。欧州で大流行りのダウンサイジング・ターボ車なんだけど、Bセグとしては軽量(1.1t)で非力(90馬力)な車で、スポーツ・グレードでは無いのにまさかのMT仕様が日本に入って来た。勿論本国では一番の売れ筋だ。
 これが流石に現代のルノー車で、とてもフレンドリーで楽しくて良かった。シフト・ストロークは若干あるものの簡単にスコスコ入るし、クラッチも軽くて操作し易い。まぁ、細かい評価は置いておいて、『軽量+非力+MT』の“ルノー車”はやっぱりイイ。ただ普通に走ってるだけで「これで十分!」感がひしひしと伝わって来る。
 さて、翻って初代トゥインゴ。車重は850kg(MT )、エンジンはNAで58馬力、トルクは9.3kg。今ドキの軽ターボに軽く負けるスペックだけど、『軽量+非力+MT』の“ルノーの小型車”だ。何も問題無い…いや、きっと楽しいはず。誰か持ってる人、試乗させて頂けないだろうか?本当に。

 とにかく初代トゥインゴは、全力のミニマル・デザインと全力のチープさが気持ち良く融合した、稀有な生活コンパクト・カーだなぁ〜と思う。超マジメでユーモラス。そしてキュート。いつか我が家に迎え入れられたら、きっと楽しい。

↓とりあえず、今ウチにあるのはNOREVの1:43のミニカー。“アニス・グリーン”という車体色なんだけど、嫁はこの色が良いらしい。
ルノー・トゥインゴ NOREV 1:18
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MAZDA CX-3 試乗ドライブ。

 今、関東マツダが『1day乗りホーダイ!!』というキャンペーンをやっていて、嫁さんの平日休みに合わせて僕も日中仕事をちょっとお休みして、まる1日出たばかりの“CX-3”でドライブしてきた。

 ディーラーに開店時間の10:00ちょうどに行き、返却時間の18:00まで8時間(実際には説明やらで10:30出発)借りれるので、ちょっと足を延ばして板橋区志村のディーラーから長瀞の日帰り温泉まで、往復でほぼぴったり200kmのドライブ。往路は概ね高速&有料道路で帰りは山間部の曲がりくねった道を少し走れた。さすがにこれだけ乗ると結構車のことが解るので、良い企画だと思う。ここ数年の“鼓動デザイン”のマツダ車はどれも欧州車並みにスタイリッシュだと思うし(若干若向けな感じはするけど)、実際作りも含めていわゆる“良い車”に見えていたから、最新のマツダ車に少し長い時間乗ってみたかったところで。
CX-3 1day乗りホーダイ試乗1
 CX-3は、最近(特に欧州で)流行りのBセグメントSUVに一応分類されると思うんだけど、ユーティリティーよりスタイリングにスペースを使っていることもあり、この手の車としてはかなりスポーティーなデザインで洒落てる。…という訳で、逆にSUV的なスペース・ユーティリティーはほぼ無い。もっともFFしか無いナンチャッテばかりのBセグメント欧州SUV車と違い、AWD(4WD)の設定がある点は走りの上では立派にSUV的と言えるのかも。
 ベース車となったデミオより50〜100万円以上上乗せが必要な車で、一番高いグレードは300万円以上もする。もっともデミオとは車台が同じというだけで、エクステリア&インテリア共に1つ上のクラス感のある出来映え。それにエンジンはスカイアクティブDという1.5Lのディーゼル1グレードなのも高い理由のひとつ(通常ディーゼル車は割高)。燃料は軽油だから割安になるけど。
 上の写真では車体色は白に見えるけど「セラミックメタリック」という新色で、わずかにグレーがかったメタリックカラー。『陶器の白』をイメージしたという上品な色合いだったけど、好みで言えば「赤」の方が好き。しかも最近のマツダの赤(「ソウルレッドプレミアムメタリック」という長い名前)は凄く深みと艶感のある渋い赤で更にイイ。
 試乗車は“XD Touring L Package”という一番上のグレードで、インテリアは白い革シート、ダッシュボードやドア内張りの一部にも白やエンジの革(合成皮革)を使い高級感がある内装。デザイン自体もあまりゴテっとして無くて程よくシンプルにまとまっていて結構好み。
 走行中によく聞けば(特に低速時に)ディーゼル特有のカラカラした音と僅かな振動が伝わるけど、特に注意しても気になるほどでは無く、言われなければディーゼル車と気づかなかったかも。これよりずっと煩いガソリン車ばかり乗ってたし(出発時に間違ってガソリンを入れ無いように言われるまで、すっかりディーゼル車ってことを忘れていたから危なかった)。高速道路でロードノイズが少し大きめの瞬間はあったけど、基本的に室内は概ね静か。
 そう言えば、高速で少し車速を上げたら自動的にラジオのボリュームが大きくなった。アクティブ・セーフティな装置も諸々付いてるし、10年前に90年代のシビック・フェリオを手放して以来の僕には、ホントに隔世の感…。

 上に書いた様にスタイリング優先のシワ寄せで同クラスのSUVとしては室内が若干狭いんだけど(さすがにヘッドスペースには余裕があった)、個人的にはタイトな車内は好みなのでそこはむしろ好感を持った。車体サイズを掴み易く取り回しがし易い。但し、ラゲッジルームの狭さはちょっと…。ベースのデミオより狭い気がする。ディーラーで比べ無かったけど。もし購入を考えるとしたら(考えて無いけど)このラゲッジルームの狭さはかなり引っかかる。開口部もちょっと狭いし。入るか解らないけどゴルフバッグを積めたとしても入れにくそう(もう何年もゴルフバッグは実家に置きっ放しなんで関係無いけど)。普段困ることはないとしてもトランクの奥行きも浅く、若干大きな荷物を積むとき…例えば車輪の付いたスーツケースとか、直売所で買ったドロ付き野菜一杯のダンボールとか、どのくらいの荷物までリアシートを倒さずに詰めるかな? 綺麗な白い革張りシートの室内に、汚れそうな荷物は入れたく無いなぁ。

 でも、ある程度走りを楽しむ方向であれば、やっぱり今ドキの車は良くできてるなぁ〜という印象(新型デミオにすら乗って無いけど)。車体剛性は凄くしっかりしていて、ちょっとした段差や路面のウネリでサスが結構動くときでも、ボディ側は全く歪みを感じさせる様な感覚は皆無。ただ、300万円車と考えると、サスの動きそのものにしっとり感がちょっと足りない気もしたけど…(つい数日前に、新車のスバル・レガシー アウトバックに乗ったせいもある。比べるのは酷だけど)。
 エンジンはさすがディーゼル車、低回転からトルク感があって普通に乗る分(林道の登りのようなところも)には全く不満無し。アクセルをそれほど踏み込まなくても普通に進んで行く…し、踏み込めばググッと遅れず加速する。
 気になる燃費は満タン法で“13.8km/Lだった。高速半分、残りを一般道と山道で半々ずつ…という感じ。アイドリング・ストップもついていたのでもう少し伸びるかと期待したんだけど、こんなもんなのかな。
 ATもパドルシフト付きで、特に峠道で併用すると自分の感覚とAT車特有のズレが無く気持ち良く乗れる(Dレンジでも良く走るけど、やっぱり時々感覚とズレる)。変速した直後の“間”は若干あるけど、それもすぐ慣れた。最近のDCT(デュアルクラッチ)車に乗ったことが無いから分からないけど、そっちはもっと楽しいかもしれない…とも思うものの、AT車でもマニュル・モードがあれば、まぁ、そう飛ばす訳でもないしこれで許容できちゃうな。
CX-3 1day乗りホーダイ試乗2
 実質4時間くらいは運転していたと思うけど、中々心地良かった。質感の高い車内の雰囲気で過ごす…という点も含めて。ただ、実際に購入考えると、上に書いた様に個人的にはやっぱりユーティリティーが気になる。CX-3を一言で言えば、見た目がSUV的な4人(乗車定員は5人だけど)乗れるロードスター…なのかも。


 ちなみに今回行ったのは、秩父温泉の『満願の湯』という日帰り温泉施設。平日だったこともあって空いていて非常に良かった。渓谷沿いにあり、露天風呂から滝が見える。若干肌にぬるぬるした感じが残る泉質。東京北部や埼玉南部からのアクセスも良いんで土日祝は混んでそうだから、また平日に来ようと思う。ただ、風呂入るだけだと800円はちょっと高いかな。
 そう言えば、大広間でカラオケを歌っているおじさんがやけに上手だった。

 お風呂のあと、ランチに美味しい石窯焼きピザを食べ、長瀞の川べりで少し冷たい水に足を付けたりと、嫁さん共々満足なドライブだった(ちなみに嫁さんもCX-3は高評価だった。欲しいのとは違う…という点も同じだったw)。
 そのピザ屋(“ビラパワ”という店)は本当に気に入ったので、次の記事で詳細を。
“ビラパワ”のピザ
長瀞川べりで
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縦サンクを見て来た。

路肩にはまだ積もった雪が少し残っていて寒かった今週の木曜日、
コッパちゃん(ウチのバイクのこと)に乗って嫁さんと茨城まで行って来た。
年末にWebで見つけて気になってた“ルノー5(サンク)”の中古車を見たかったので。
通称『縦サンク』。'72〜85年にフランスで製造された小型大衆車です。

“ルノー5”と言うと僕は“サンク・ターボ”と言う名前がかろうじて思い浮かぶ程度で、
実は今まであまり良く知らず興味も無かった車。特にベースモデルは。
なので、ルノー『5』に初代と2代目があることも今回初めて知った。
当時ルノーはモデルチェンジすると名前の番号が増える約束事があった様だけど、
(サンクの前は『4(キャトル)』。日本ではこっちの方が有名かな…)
初代サンクがベストセラーだったので2代目は名前を据え置いた…ということらしい。
マルチェロ・ガンディーニという有名デザイナーが(カウンタックやストラスをデザイン)、
初代サンクのイメージを踏襲してデザインした似て非なる車が2代目サンク。
通称“シュペール(super)サンク”。
で、初代サンクはシュペール・サンクと区別する為後から愛称が付けられた。
珍しい縦置きエンジンというところから『縦サンク』と。
(ただ、多分“縦サンク”は日本だけで通用する呼び名かも)

その『縦サンク』という車の存在を知ったのはつい1ヵ月程前なんだけど、
知った瞬間に一目惚れ…。僕だけで無く嫁さんも。
ウチの嫁さんは特に車好きという訳では無いのだけど、
“モノ”に対する見方がとても男性的と言うか“モノを愛でる”という感覚を持っていて、
1万円以上もする'54年式コルベットC1のミニカーを買ったのは僕で無く嫁さんだったり…。
なので、“ホンモノ”の車を買う予定は無いものの、僕等は車の話もよくする。

2ヵ月程前、僕が面白いと言って嫁さんに『ジャージの2人』という映画を観せたとき、
主人公(堺雅人)の父(鮎川誠)が乗るVWゴルフ2を見て、「実にイイ四角の車だ」と。
それまで嫁さんは曲面が綺麗な車ばかり気に入っていたので、ちょっと意外。
なんせ大好きな車は“ジャガーEタイプ”と言い、スバル360が可愛いと言ってたお人だ。
僕としては嫁さんの好みも含めて完全に(架空の購入)射程圏から外していた。

でも最近では中古車も少なくなったゴルフ2は概ね20〜40万円程度(勿論レストア車は別)。
今は車の必要性もお金も無いけど、“万が一”のときは(どんなときだ?)
この価格帯ならなんとか…と“想定”して画像や情報を集めてみると、
意外とコアなファンが居る様で専門ショップもあったり。なんだか凄く良い車に思えて来た。
勿論元々素性は悪く無い車だし、嫌いじゃ無かったのもあるけど。

ただ、やっぱりアレです。
平面的なデザインは今は無いカタチだしシンプルで良い内外装だなぁ〜と思うものの、
やっぱりそこはドイツの実用車。少し素っ気ない感じがする。色気が無いと言うか…。
ジャガーEタイプの様な美しさやスバル360の様な愛嬌を求めるのは違うけど、
量産大衆車とは言え、もう少し微妙なラインはあっても良い気がする。

そんな感じで他のちょっと古めの小型大衆車を思いつく限り探し始めたところ、
最初、シュペール・サンクに目が止まりました。
リアのスパっと真っ直ぐ斜めに落ちたデザインが妙に気になって…。
で、中古車サイトに並ぶ数少ないサンクを眺めていると、1台だけ印象の違う写真が。
それが『縦サンク』だった訳です。

エンスー専門の様な一風変わった欧州車しか置いてない、茨城の小さな中古車屋さんの物件。
'81年式で15万km。車体価格68万円。驚いたのはなんと30年間ワンオーナー。凄い。
そしてこの価格なら……いやいや。
縦サンク 斜め前
シュペールとは全体的なカタチは“だいたい”同じなんだけど、でも全然違う。
どちらも全体的には箱型のシンプルな形の車なんだけど、
シュペールの方は例えばリアコンビランプでRの着いた角全体を繋ぐ処理や、
とことんフラッシュサーフェイス化された現代的なボディ・デザイン。
対して縦サンクは、なんて言うか、こう〜、いかにも“鉄板”な感じ。
ただ、その“鉄板”具合はゴルフ1や旧パンダの様な平面で角ばった構成では無く、
(それはそれでその潔さが勿論彼等の魅力である訳だけど)
それぞれの面にわずかな膨らみと適度なRの繋がりがあって、
それがやり過ぎないギリギリに留めた感じが、デザイナーの好みだろうけど旨い。

縦サンクとシュペール・サンクとの間には、昔の車と今の車の境目がある様に思える。
勿論どちらも大量生産の工業製品な訳だけど、シュペールは“プレス”で“抜いた”感じで、
縦サンクは“板金”で“曲げた”感じ。あくまでイメージの話だけど。
ただ、その板金とか曲面の微妙なさじ加減がとても大事な気がしている。
こういうのってまったく感覚的な部分で車の良し悪しでは決して無いけど、
そうなって無いと許せない部分でもある。

それに塗装。この中古車の緑色も当時のフランス車特有のちょっとくすんだ色味でイイ。
このベタっとした塗装が“鉄板”具合を更に強調している気がする。
あと、ミッドセンチュリー的な応接間にある様なソファーの様なシート(生地)とか。
「車と言うよりは…」と書き掛けつつ、やっぱりどう見ても“ジドウシャ”なんだけど、
精密でよく出来ているミニカーよりミニカー的。So cute! Très joli!

僕等夫婦はそのいい感じに枯れた雰囲気を持つ“縦サンク”に一発で惚れてしまった。
既に我が家では「タテさん」と呼んでる。

まっ、そんなこんなでとにかく一度本物を見に行こう…ということになった訳です。
前出の茨城の中古車屋さん。ご夫婦(多分)2人でやっている欧州車オンリーの小さな店で、
ベルトーネX1/9やBMWのZ1とかかなり珍しい車も置いていたり…。相当好きそうな店長。
「朝、電話をした者です」と告げると「ようこそ遠いところを…」と、
奥に置いてあった縦サンクを見易い様に少し前に出してくれました。
縦サンク 斜め後
この斜めに下まで落ちたリアデザインがたまりません。
本当はもう少し引いて撮りたかったんだけど、スペースがありませんでした。
写真がワイド過ぎてヒップラインの魅力が伝わり難いかも…。

縦サンクの前後のバンパーは「世界初の樹脂バンパー」ということなんだけど、
このサンクは何故か鉄の塗装でした。経緯不明。
まぁ、鉄の方が質感的にも維持のし易さ的にも良いと思うけど、ちょっと不思議。
縦サンク 室内
リアデザインの次に惚れたこのインテリア。シートは見るからに座り心地が良さげ。
それにこのお洒落なシート生地が良い。多分当時価格的に日本仕様は良くしたんだろうなぁ。
ドアの内張りはシワが寄ってるけど張り替えれば済む話だし(それが可能という作り)、
内張り以外の部分が鉄板むき出しなのが良い(鉄板をキチンと内装として仕上げている)。
この辺りはこの時代の大衆車の特徴だけど。
縦サンク フロントシート
で、実際座ってみたらフカフカです。これはシートでは無くソファだ。
30年以上も前で15万kmも走ってるのに、ほとんどヘタりも汚れも無いのが凄い。
縦サンク ダッシュボード.jpg
なんだか懐かしい感じのダッシュボードではあるけど、この色と造形は特徴的。
今の妙に“先鋭的”なデザインと比べても分かり易くて良い。
取って付けた様なオーディオBOXと純正とは思えないアナログ時計も含めて。
そう言えばこの時計、秒針が「ヌルッ、ヌルッ」と動いて1秒を刻むのが面白かった。
ちなみに時計の後にある瓶には板金した時の塗料の残りが入ってる。タッチアップ用にと。
縦サンク リアシート
リアシートもソファ&綺麗なんだけど、さすがに足下は狭かった。
全長3505mm、全幅1525mmは今の軽自動車よりほんの少し大きい程度なのに、
縦置きのエンジンがフロントミッドシップ的に置かれたおかげでサイズの割にノーズが長く、
(だから車としてカッコいいんだけど)
室内、特にリアは狭いです。まぁ、僕等には欠点には見えない。あばたもエクボ。
もっとも隣の人と肩が触れ合うようなことは無いし、前席は特別狭いとも思わない。
適度な包まれ感と言うか、運転席から手の届く範囲にすべてがあると言うか…(笑)
縦サンク エンジンルーム
縦サンク トランクルーム
エンジンルームはさすがに綺麗とは言い難いけど、エンジン音は良かった。
全然静かなエンジンじゃ無いけど、ダダダダダダダ〜とちゃんと回っている感。
縦置きの4気筒OHV、1300ccのエンジン。ミッションは4速マニュアル。
縦置きでOHVと言うのは僕のコッパちゃんのVツインと同じでなんだか親近感。
それにしても前に開くボンネットの蓋が、昔のスポーツカーみたいでカッコいい。

実はスペアタイヤは元々エンジンルーム(写真では右上の方)に入っていた筈なんだけど、
どうも日本仕様はクーラーの補機類が追加された関係でトランクルームに移されてた。
しかしケンウッドのCDチェンジャーは今や懐かしいなぁ。
縦サンク 取扱説明書他と掲載雑誌
この縦サンク、カーマガジンのルノー5とクリオ(日本名はルーテシア)の比較記事で、
サンクの試乗車として取材された車だそうで(写真下がその誌面)。

そして驚きの'81年当時のルノー輸入代理店“キャピタル企業株式会社”社名入り取説と、
30年間分の30枚溜まった整備手帳。
普通、車好きでも30年間毎年整備手帳に記録する(つまり毎年定期点検に出す)かな?
と思って聞いたら、なんと女性オーナーだったそうで。ディーラーに任せっきりだったらしい。
今まだ50代半ばの女性らしく、つまりサンク購入時は20代前半、まだバブルの直前。
当時220万円も出して外車の小型車…しかもBMWやVWでは無く仏車のルノーを買うなんて…。
いや、仏車を選ぶにしたって2CVでも4(キャトル)でも無くこのサンクを選ぶ辺り、
相当お洒落な女性だったに違い無いと思ってます。

実は30年間もこの車に乗り続け、壊れてもいないのに売りに出されるなんて、
もしやオーナーさんは結構なお年の方で亡くなったのかな?…なんて勝手に想像してました;
実際は、最後の方は車検ごとに500kmとかしか距離が伸びなかったらしいので、
多分維持するだけになってしまったことが手放す理由になったんでしょう。
縦サンク 正面
サスのヘタリか、元々柔らか過ぎるセッティングのせいなのか分からないけど、
1人で運転席に座ると若干車体が左に沈み傾くらしい(その様子は見て無い)…。
さすがに30年以上も経った'70年代設計の“大衆車”は、
色んなところが錆びてるしドアの内張りが剥がれていたり各所グニャグニャ。
でも、そういうゆるい感じと真正面から見る微妙なタレ目の情けない顔が、
なんて言うか、こう〜、とても愛らしく…。
(真正面から撮れず微妙にタレてる目の感じが分からない…。1枚目の方が分かり易い)

30年間どんな人生(車生)を送って来たんだろうか。
出来ることなら引き継ぎたいと思うんだけど……いやいや;
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そう言えば、年末に…

去年の大晦日、31日の夜に一瞬銀座を通ったのですが、
有楽町駅の方から歩いて中央通りに出るちょっと前辺りから、
「ドロドロ〜」とした低いエンジン音が聞こえて来るので、
何なんだろ?と思っていたら、この様な輩が数台。
ITO-YAの向かえにあるダンヒルの前辺り。
(ここ、以前は明治屋の銀座店だったんですが、
 このビルの上に新卒で就職した会社があったので懐かしの場所です)
2011/12/31/銀座/パガーニ・ゾンダ1
2011/12/31/銀座/パガーニ・ゾンダ2
先頭に止まっていたこの白い車、僕は初めて見たんですが、
イタリアのパガーニの「ゾンダ」という車らしいです。
後に続く数台のランボルギーニのムルシエラゴやディアブロが霞むくらい、
強烈なオーラを発散してました。
なんだかこのままル・マン辺りを走りそうなイメージです。
何人か、外国人(観光客?)も写真を撮ってました。

ゾンダに続く後ろ数台のランボは結構なカスタムカーで、
元の車だって相当な値段なのに、一体幾ら掛かって…とか。
一番後に居たノーマルっぽい白のディアブロなんて、
色も地味だし一瞬普通の車が停まっているんだと思ってしまうくらいで。
いやいや、あるところにはあるモンです。

しかし、イタ車のスーパーカーが並んでいる訳ですが、
諸々含めてなんだか妙に日本的な風景に思えるのは何ででしょうか。
(ちなみに6年程前に、合計で3週間近くイタリアを巡りましたが、
 その時にランボルギーニを見たのは1度だけ(1台のみ)でした)
2011/12/31/銀座/ムルシエラゴ
2011/12/31/銀座/ディアブロ1
2011/12/31/銀座/ディアブロ2
2011/12/31/銀座/スーパーカー達
しかし、子供の頃のスーパーカーブームのときにこれに出くわしたら、
狂喜乱舞だったろうなぁ〜。
翌日興奮して学校で話しまくること間違い無し…(笑)
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レジーナのデザイナーインタビュー記事

一昨日、スズキ・レジーナのことを書いたら、
レスポンスにデザイナーのインタビュー記事が出てました。
【東京モーターショー11】スズキ レジーナ…類型化したエコカーデザインと決別

たぶん、最近の車のデザインについて僕と同じようなことを思っていて、
そういう人の意見がやっと表に出て来たんだろうと想像はしていましたが、
コンセプトは軽量コンパクトの低燃費車とは発表されているものの、
デザイナー氏の言うような空力モデルだとは想像出来ずちょっと驚きました。
フロントノーズとAピラー(フロントガラス)がやけに立っていたので、
空力的にはかなりマイナスに見えてデザイン優先のモデルかと。

環境性能を追求する上でとても重要な『空力』という部分について、
解り易い方程式を当てはめるのでは無く新たな方向に向い、
その上で車のカタチとしてしっかりしているのは実に素晴らしいです。

よくよく考えれば、ガソリン車で32km/Lなんて、
エンジン性能と軽量さだけでは達成出来ない筈で、
デザインを優先する為に若干空力を犠牲に…なんて言ってられない訳ですし、
『あれこれ工夫したら〜このカタチになった』と話されてますけど、
やはりセンスの良さが無ければこのデザインにはならないと思います。
リアから見た台形的でタイヤが踏ん張った感じが車らしくて、
同社のスイフトのイメージも冠るなぁ〜と思っていましたが、
やはり同じデザイナーさんでした。

最近のスズキ車のデザインの良さの秘密が、なんだか解った様な気がします。

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東京モーターショー2011

直前情報が発表になったときから気になってのですが、
スズキの『レジーナ』というコンセプトカーが良いです。

24年振りに幕張から東京に戻って来た『東京モーターショー』。
僕は車を持たなくなってから7〜8年経つのですが、
確かに以前程では無いとしても、
今の若者程は(少なくとも心は)車離れしていない旧世代なので、
時間が取れれば行ってみたいとは思うものの、どうも諸々忙しくて…。
と、忙しさを言い訳にする辺りが、
既に車が優先順位の上位では無いということですが…。

そんな事情はともかく、いつも車情報はそれなりに見ていて、
やはりモーターショーと言うのは情報発信源として面白いのですが、
いつもがっかりさせられるのは我が国日本の車で、
特にここ数年、環境がトレンドに(なんちゅう言葉だ)なってからは、
どうもその傾向が多くなっている気がしています…。

僕的には子供の頃から『車=カッコいいもの』だったので、
逆も真なりということで、格好良く無ければ車じゃ無い訳です。
その『格好良い』の定義が難しいと思いますが、
時代によって車に求められる機能は変わって来るとは言え、
『モノのカタチ』に美しさを求める部分については、
どこか普遍的なテーマがある気がしてます。

で、今回出展のスズキの『レジーナ』です。
現物を見たらまたイメージが違うかもしれませんが、
個人的には現代版『シトロエンDS』だと思いました。
サイズも機構も大昔のDSとは全然違うんですが、
僕には全体的なフォルムや間の取り方や面の構成など、
どこを取っても酷くエレガントに見える点が共通しています。
一番良いと思ったのは、
前を見て斬新なデザインを目指しつつ、きちんと『車である』ことです。
懐古主義的でも無いし、デジタル家電にタイヤを付けた感じでも無い。
たぶん、そこが一番難しいところだと思うのですが、
この車のデザイナーはそこを大切にしたんだと想像します。
『らしさ』を追求するという意味では、
FIAT 500やBMW MINI、VWビートルのデザインより難しいと思いますが、
きちんと『車文化』を踏襲した上で、前を見ている気がします。

勿論国産車の中にもたまに良いのはありますが、
レジーナは個人的に飛び抜けていました。海外の車も含めて。
こんなデザインが日本車から出てくるとは期待して無かったですし、
しかもまさかスズキから出て来るとは…。
かなり失礼ですが。

実は7〜8年前のスイフトのモデルチェンジ以降、
僕の中でスズキは結構好きなメーカーになっていたのですが、
そこ頃以降出て来たモデルはどれもそうなんですけど、
他の国産車には今は無いシンプルなデザインが良いと思いつつ、
シンプル過ぎるが故なのか車としての『色気』が無くて、
『値段の割には』なんて枕詞無しには語れない感じでした。
勿論好きになった理由はまさしくそこにあり、
そもそもそれがスズキらしさだったりするのですが。
(バイクのデザインは割と色気があったりするんですけど)

それがこのレジーナの『色気』には驚きました。
この車の評価がどうなのか解りませんが、
是非、この『車としてのデザイン』は評価されて欲しいと思ってます。
環境性能や安全性が重視されるのは勿論良いことですし、
コストパフォーマンスが良い方が良いに決まってますが、
『車らしさ』を徹底的に追求しつづけ無ければ、
なんか誰も『車』を欲しいとは思わなくなってしまう気がします。

こんなことを思うのは僕等世代以上の車好きだけで、
やっぱり若い人には響かない(感じない)のかもしれませんが、
その車DNAみたいなのは今でも欧州にはありそうな気がしてて、
それをスズキの若いデザイナーが出して来た様に思えて、
なんだか少し嬉しくなった車です。

しかしいつも残念に思うのは、気に入ったコンセプトカーがあっても、
そのまま市販されることがほとんど無いことです。
保安部品やら安全基準やらコストやらなんやら、
量産する場合にクリアしなければならない問題は沢山あるでしょうし、
「コンセプトカーのまんま出た!」と言える車ですら、
わずかな修正で随分イメージが違って見えてしまうので中々難しいですが、
レジーナはどうなるでしょうか?
800ccのガソリンエンジンで32km/Lの低燃費車。
変に軽規格にこだわっていない上で、
経済的なコンパクトカーである点も気に入っている部分です。
是非、このカタチで実現して欲しいです。


↓これがスズキのレジーナです。
carviewの記事から勝手に写真を拝借しました。

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欧州小型車

ちょっと車の話。

黄色い車は、日本には未導入のVW Foxというスモールカー。
コロンとしつつ、ファニー過ぎない良い感じの台形フォルムをしていると思う。たぶん、日本では3ドアがあまりウケないことと、VWの最近の路線は高級車志向なこと。また、以前あった同じクラスのVW Lupoが売れなかったから....だろうとは思うものの、こんなにシンプルで車らしくて安っぽく無いデザイン(エクステリアもインテリアも)は国産のこのクラスには中々無いから、こういう小型車は日本にこそ....と思うとなんだか勿体無い気がする。でも、やっぱり売れないだろうことも容易に想像付く。デザインを除けば(あるいはVWブランドのマークを除けば)、ほとんどの部分(動力性能や信頼性、使い勝手やコストパフォーマンス)で国産の小型車や軽自動車の勝ちだろうし。そういう僕だって、いざ車を買うとなったら選ばない。たぶん。
あぁ、やっぱりいろいろ勿体無い。良くも悪くも日本の車文化が。

「あっ、パンダだ」
と、緑色の車を後から見て写真を撮り前に回ったら、なんとスペインの“SEAT(セアト)”のマークが付いていた。初代パンダ(たぶん現行の二代目も)がポーランドで生産されていたのは知っていたし、確か旧東側のどこかの国(それこそポーランドだったか?)でもパンダと同形の車があったのは聞いた気がするけど、エスパーニャ産パンダもあったとは。ちょっとオタクな発見だったので、思わず他人の車の前でひとりでニヤニヤしてしまい、ハッとして辺りを見回したけど誰も居なかった。ちょっと寂しかった。

なんにせよ。ヨーロッパの風景には小型車が似合う。
VW Fox1
VW Fox2
SEAT PANDA1
SEAT PANDA2
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やっぱ、パンダ。

久々に新車の試乗をした。HONDAから2月に出たばかりの「クロスロード」という車。久々にホンダらしい良い車だと感じて、実際に見たくなったんだけど...。

実は今、車を持って無い。手放してから3年近く経つ。15年以上もの車のある生活を止めた理由は単純で、「普段乗らないのに金が掛かる」からだ。とは言え元々好きなモノ。時々「次に買うとしたら?」と妄想に更ける。

ただ、車を手放して以来、モノを極力減らしてシンプルな生活を好むようになり、どっぷり浸かったアメリカ型消費文化を嫌うようになった。だから“金喰い虫”である車をまた持つとしたら、「名車」もしくは「名車になりうる車」を選び、愛し、長く大切に乗りたい。「3回目の車検だし、そろそろ乗り換えかな...」なんて意味の無い消費はしたく無い。勿論愛せる名車と言っても、屋根付きガレージで大切に保管するような高級車やクラシックカーでは無く、あくまで普段の足となるゲタ車。なので小さめの実用車で、出来れば新車か程度の良い高年式車がイイ。

で、クロスロード。
個性的かつ普遍的な箱型のデザインで、見た目の印象(ちょっとハマーのH3っぽいから余計に大きい印象)よりかなりコンパクトなのに一応7人乗れて、地上最低高があるからクロカン的にラフに使えるけど、室内はちゃんと乗用車...って感じ。このテのSUVが最近気になってたんだけど、どれもこれも肥大化して...という現状に、クロスロードは小振りなサイズで登場。これがこの車最大の美点。

そして試乗。
「・・・・」。
性能的な評価は専門家に任せて(概ね高評価だし僕も同意)感覚のみで書かせて貰えば、ハンドルを握ったときのワクワク感が無い。出来の良い少しだけ特別なファミリーカーなのは解る。ただ、それ以上でもそれ以下でもない。なんて言うか....普通。たぶん悪い意味でチープな内装から来る印象も大きい。勿論、人によって車に何を求めるかは違う訳だし、この車を否定するつもりも無いけど、見積りを出してもらって更に僕の空虚感は増大した。実質一番下のグレード(1.8L、FF)に、ETCとイモビライザー(セキュリティー装置)を追加しただけの仕様で、諸費用&税込み総額が250万円超え。純正ナビを着けると更に25万円高。う〜ん...。

こんな風に時々車に思いを巡らす度に、必ず最後に頭の中に残る車が、初代「フィアット・パンダ」。ピエンツァのパンダ

初代パンダは1980年発売だけど最終型は2003年(国内正規ディーラーモノはたぶん99年まで)なので、実はほんの少し前まで新車で買えた20世紀の「名車」。最近、03年式、走行1.5万kmで税込み約130万円という個体を見掛けた。パンダ全体の相場からすると3桁万円は高いんだけど、ここまで高年式、低走行車はほとんどないから(なんせ00年以降は正規輸入車が無い)なんとも魅力的。当然新車はもう無い訳で、「今のウチに程度の良い車体を手に入れておかねば!」という思いが無いでは無い。

最終型なら、エアコン、パワーウィンドウ、運転席側のエアバックはかろうじて着いているけど、最近の車なら標準で着いている装備は他に何も見当たらない。室内は半分鉄板むき出し、ダッシュボードはいかにもプラスチック(と布張り)というシロモノ。1.1Lのエンジンは今の軽より馬力が無い。しかしこれが愛せる。スペックやパッケージング的に、正しく正統な「車」なのだ。必要にして充分。もし問題があるとすれば、基本設計の古いイタ車ということ....まぁ、些細なことだ(笑)

写真は、イタリア、トスカーナの宝石と呼ばれるピエンツァという村で撮ったパンダ。この、落ち葉が冠りっ放しのゆるさが良い。こんなシーンが似合う素晴らしい名車。デザイナーは彼のジョルジェット・ジウジャーロ

あっ、ひとつ忘れてた。
今、車は必要無いんだっけ.....。
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