トラットリアの外看板を作った。
まだまだ先は長い旅行記の途中、また差し込み記事。
実はその旅行(4月前半)を挟んで、地元のイタリアンの看板を頼まれて手作りした。夫婦二人でずっと常連客として通っていた店で、店の二人(シェフとソムリエ)とも親しくしていた結果、5月からは嫁さんがパティシエとして働き始めた場所。
もっとも(今のところ)看板作りは生業では無いので、材料費と外注費、それと少し揃えた道具類に掛かった費用以外は貰わない代わりに、納期は未定で自由にやらせて貰った結果、結構良いのが出来た。…ので、その話。
いつもの様にカウンターで呑んでいるときに最初シェフから看板の話が出たのは、確か1月頃だった気がする(去年の暮れだったかも)。それから右葉曲折が少しあった後、鉄製のフレームだけオリジナルで作ってもらったので、それを正式に発注したのは3月中頃だったか(これはアッと言う間に出来た)。
看板全体のデザインは当初もう少し曲線的だったんだけどなるべく低予算で…ということもあり、フレームは直線的かつシンプルに変更。こんな感じにしよう…と説明しながら書いたスケッチ↓
で、看板部分は木製で…というのが初期からのシェフとの合意事項だったので、やったこと無いけど手で掘ってみることにした。あまり細かい部分があると掘るの大変そうだなぁ〜と思いながら、「一見してワインを出すイタリアンと判るデザイン」というオーダーに応えたもの。正式なロゴが無いので時間があればそれもデザインしようかと思ったけど、ロゴが出来上がるのを待っていると先が長くなりそうなので(まぁ、いずれ)、trattoriaと店名の『LaCutalin』はフォントを少し弄っただけ。なるべく掘りやすそうで、木製の看板に合いそうな温かみのあるカタチに。
シェフにデザインを見せるのにPhotoshopでささっとそれっぽく作ったんだけど、実際に出来た看板の方が味があって数倍良い(笑)↓
…という感じでとりあえずデザインは決まったものの、旅行の準備やらその間の仕事の前倒しなんかで3月は終わって旅行に突入、4月半ばまで作業は1mmも進まず…。結局、看板の板を作り始めたのは4月下旬になってしまった。
まず、ベースとなる板のサイズは550mm × 600mm(横×縦)。このサイズの一枚板を買うと高くつくので、近所のホームセンターで幅200mmの安いラワン材を横に三枚繋いだ。今回の看板は片面だけなので、裏側にベニヤ板を充てて耐水性の木工用ボンドと木ネジで止めている。
その板に、プリントアウトしたデザインのアウトラインをトレースした。
続いて、色を塗るワインボトルとグラスの周りだけ残し、全体を漕いウォールナット色の水性ニスを、とりあえず3回重ね塗り。
さて、木工作業…しかも“掘る”という行為は、多分、中学生(もしかすると小学生)の頃に彫刻刀を触ったのが最後だ。で、その35年以上も前の記憶を思い出しても、それはちょっと気が遠くなる作業になる気がしたので、最後の仕上げは手でやるとしても、大まかな作業は電動ドリルの木工用ビットで削れるんじゃないだろうか?…という想像だけで、まずはドリルとビットを用意。後で思えばネットで調べれば良かったのだけど、何故かドリルで削れると思い込んだ。
そして、騒音も出るだろうし休みの昼間に作業をし始めたところ、これがまた偉い音が出る割には驚くほど削れない…。何日か作業してみたものの、これはもしかすると彫刻刀で手で掘った方が早いんじゃ無いかと思い、とりあえず100円ショップで彫刻刀セットを買って来たのだけど、これがまたクソで全く掘れない。試しに研いでみたんだけど速攻で歯先がこぼれる。まるでイミテーションの刀か?という凄い商品。まぁ、100円で彫刻刀セットを買おうとする方もどうかしてるんだけど、今後彫刻刀を使うことがあるとは思えなかったので渋ってしまった…。
写真無いんだけど、結局『電動彫刻刀』というものを買った。“世界のリョービ”製。amazonで購入したんだけど作業中の動画もあって、これが予想外に振動も無く「スゥ〜」っと切れて行く(木材の硬さにもよる)。もっと『ガガガが!』と振動があるもんだと思っていたのと、値段も意外に手頃だったので即購入。最初に調べておけば良かった。まぁ、どちらかと言えばドリルの方が普段使い出があるんで、前から欲しかったんだけど。
と言う訳で、格段に作業効率は上がった。とは言えやっぱり早々簡単に出来上がるものでも無いし、最後の仕上げはもとより細かいところは最初から彫刻刀(結局3千円くらいのを買った。気持ち良いくらい綺麗に掘れる)で手で掘ったので、結局全て掘り終えるのに150時間くらい使ったと思う。とにかく掘った面を平らに仕上げるのが大変だった。
掘っている途中の写真は撮ってないので、全て掘り終えた後にイタリアン・トリコロールの緑/赤を塗ったところ↓
(看板が出来た頃カメラが壊れて修理中だったので、iPhone写真で少し画質が悪い)
色を載せた部分のみ少しペーパーで荒らしてエイジング感を出し、全体に透明なニスを3〜4回塗り重ねた。勿論腐食防止のため。これで実際にはエイジングはほとんどしないはず。木の風合いは減るけど外看板だし。
さて、フレームに吊り下げて出来たところ(フレームはシェフが作業を一緒にやりたいと言っていたのと、少しでも安く上げるため未塗装で上げて貰ってたのに放置してあったので、結局嫁さんがペンキを塗って仕上げた)。当初は目指していた訳じゃ無かったけど、常連さんだけ呼んだお店の2周年記念パーティーがあったので、その時にお披露目した。最後はギリギリだったけど。
看板上につけたレトロ街灯風の電灯は、ネットで探したもの。クリアな裸電球だけど実はこれでもLED。
裏側は何もなし。ニスを塗ってるのと画質が悪いので解りにくいけど、単なるベニア面。下に空瓶を入れたワインケースを置いて、雰囲気作りと風などで倒れない様に重石に。
という訳で、お披露目の時だけ地下の入り口横に置いた。隣の防炎扉のポスカ絵も僕が描いたもの。
で、ちょうど看板を外に置いて4週間(2016年7月9日現在)が経ったところ。勿論看板の効果を測れる訳でも無いんだけど、どうもこの1か月で週末に新規のお客様が増えているらしい。5月下旬に地元のマルシェのイベントがあり、そこでの露出の影響もかなりあると思うのでなんとも言えないけど、作った僕のひいき目だと思うものの、今までも置いてあった黒板やOPENの看板、そして巨大なワイン樽(の上に店舗名を描いたボード)が並んでいたときと比べて、看板の緑と赤が目に入って一見してそこにワインバーやイタリアンがあるイメージに感じる。
もう一度書こう。結構良いのが出来たんじゃないの〜。
あっ、そうだ。スケッチにある様に外灯の根元に鈴(風鈴?)を付けねば…。
実はその旅行(4月前半)を挟んで、地元のイタリアンの看板を頼まれて手作りした。夫婦二人でずっと常連客として通っていた店で、店の二人(シェフとソムリエ)とも親しくしていた結果、5月からは嫁さんがパティシエとして働き始めた場所。
もっとも(今のところ)看板作りは生業では無いので、材料費と外注費、それと少し揃えた道具類に掛かった費用以外は貰わない代わりに、納期は未定で自由にやらせて貰った結果、結構良いのが出来た。…ので、その話。
いつもの様にカウンターで呑んでいるときに最初シェフから看板の話が出たのは、確か1月頃だった気がする(去年の暮れだったかも)。それから右葉曲折が少しあった後、鉄製のフレームだけオリジナルで作ってもらったので、それを正式に発注したのは3月中頃だったか(これはアッと言う間に出来た)。
看板全体のデザインは当初もう少し曲線的だったんだけどなるべく低予算で…ということもあり、フレームは直線的かつシンプルに変更。こんな感じにしよう…と説明しながら書いたスケッチ↓
で、看板部分は木製で…というのが初期からのシェフとの合意事項だったので、やったこと無いけど手で掘ってみることにした。あまり細かい部分があると掘るの大変そうだなぁ〜と思いながら、「一見してワインを出すイタリアンと判るデザイン」というオーダーに応えたもの。正式なロゴが無いので時間があればそれもデザインしようかと思ったけど、ロゴが出来上がるのを待っていると先が長くなりそうなので(まぁ、いずれ)、trattoriaと店名の『LaCutalin』はフォントを少し弄っただけ。なるべく掘りやすそうで、木製の看板に合いそうな温かみのあるカタチに。
シェフにデザインを見せるのにPhotoshopでささっとそれっぽく作ったんだけど、実際に出来た看板の方が味があって数倍良い(笑)↓
…という感じでとりあえずデザインは決まったものの、旅行の準備やらその間の仕事の前倒しなんかで3月は終わって旅行に突入、4月半ばまで作業は1mmも進まず…。結局、看板の板を作り始めたのは4月下旬になってしまった。
まず、ベースとなる板のサイズは550mm × 600mm(横×縦)。このサイズの一枚板を買うと高くつくので、近所のホームセンターで幅200mmの安いラワン材を横に三枚繋いだ。今回の看板は片面だけなので、裏側にベニヤ板を充てて耐水性の木工用ボンドと木ネジで止めている。
その板に、プリントアウトしたデザインのアウトラインをトレースした。
続いて、色を塗るワインボトルとグラスの周りだけ残し、全体を漕いウォールナット色の水性ニスを、とりあえず3回重ね塗り。
さて、木工作業…しかも“掘る”という行為は、多分、中学生(もしかすると小学生)の頃に彫刻刀を触ったのが最後だ。で、その35年以上も前の記憶を思い出しても、それはちょっと気が遠くなる作業になる気がしたので、最後の仕上げは手でやるとしても、大まかな作業は電動ドリルの木工用ビットで削れるんじゃないだろうか?…という想像だけで、まずはドリルとビットを用意。後で思えばネットで調べれば良かったのだけど、何故かドリルで削れると思い込んだ。
そして、騒音も出るだろうし休みの昼間に作業をし始めたところ、これがまた偉い音が出る割には驚くほど削れない…。何日か作業してみたものの、これはもしかすると彫刻刀で手で掘った方が早いんじゃ無いかと思い、とりあえず100円ショップで彫刻刀セットを買って来たのだけど、これがまたクソで全く掘れない。試しに研いでみたんだけど速攻で歯先がこぼれる。まるでイミテーションの刀か?という凄い商品。まぁ、100円で彫刻刀セットを買おうとする方もどうかしてるんだけど、今後彫刻刀を使うことがあるとは思えなかったので渋ってしまった…。
写真無いんだけど、結局『電動彫刻刀』というものを買った。“世界のリョービ”製。amazonで購入したんだけど作業中の動画もあって、これが予想外に振動も無く「スゥ〜」っと切れて行く(木材の硬さにもよる)。もっと『ガガガが!』と振動があるもんだと思っていたのと、値段も意外に手頃だったので即購入。最初に調べておけば良かった。まぁ、どちらかと言えばドリルの方が普段使い出があるんで、前から欲しかったんだけど。
と言う訳で、格段に作業効率は上がった。とは言えやっぱり早々簡単に出来上がるものでも無いし、最後の仕上げはもとより細かいところは最初から彫刻刀(結局3千円くらいのを買った。気持ち良いくらい綺麗に掘れる)で手で掘ったので、結局全て掘り終えるのに150時間くらい使ったと思う。とにかく掘った面を平らに仕上げるのが大変だった。
掘っている途中の写真は撮ってないので、全て掘り終えた後にイタリアン・トリコロールの緑/赤を塗ったところ↓
(看板が出来た頃カメラが壊れて修理中だったので、iPhone写真で少し画質が悪い)
色を載せた部分のみ少しペーパーで荒らしてエイジング感を出し、全体に透明なニスを3〜4回塗り重ねた。勿論腐食防止のため。これで実際にはエイジングはほとんどしないはず。木の風合いは減るけど外看板だし。
さて、フレームに吊り下げて出来たところ(フレームはシェフが作業を一緒にやりたいと言っていたのと、少しでも安く上げるため未塗装で上げて貰ってたのに放置してあったので、結局嫁さんがペンキを塗って仕上げた)。当初は目指していた訳じゃ無かったけど、常連さんだけ呼んだお店の2周年記念パーティーがあったので、その時にお披露目した。最後はギリギリだったけど。
看板上につけたレトロ街灯風の電灯は、ネットで探したもの。クリアな裸電球だけど実はこれでもLED。
裏側は何もなし。ニスを塗ってるのと画質が悪いので解りにくいけど、単なるベニア面。下に空瓶を入れたワインケースを置いて、雰囲気作りと風などで倒れない様に重石に。
という訳で、お披露目の時だけ地下の入り口横に置いた。隣の防炎扉のポスカ絵も僕が描いたもの。
で、ちょうど看板を外に置いて4週間(2016年7月9日現在)が経ったところ。勿論看板の効果を測れる訳でも無いんだけど、どうもこの1か月で週末に新規のお客様が増えているらしい。5月下旬に地元のマルシェのイベントがあり、そこでの露出の影響もかなりあると思うのでなんとも言えないけど、作った僕のひいき目だと思うものの、今までも置いてあった黒板やOPENの看板、そして巨大なワイン樽(の上に店舗名を描いたボード)が並んでいたときと比べて、看板の緑と赤が目に入って一見してそこにワインバーやイタリアンがあるイメージに感じる。
もう一度書こう。結構良いのが出来たんじゃないの〜。
あっ、そうだ。スケッチにある様に外灯の根元に鈴(風鈴?)を付けねば…。